ご存知、筋トレの石井ゆかり嬢の近著二冊。
じっくり読んでからにしたかったのだが、ある種”旬”のものなので、さきに紹介しておく。
星栞(ほしおり)―2011年下半期の星占い
星栞のほうは、昨年筋トレ10周年ということで別の形での発表となった、年間下半期の占いが書籍の形で復活。
ご本人がブログなどで述べられているように、読者の要望で復活、というのがいい。
「1冊の中で12分の一しか(自身のところだけしか)読む箇所がないのは心苦しい」的なことを仰ってるのが、石井さんらしくて良い。
今回特筆すべきは、その装丁のカバーをとった、裏側の一文だろう。
占いそのものの、道義的な良し悪しは時折話題にされるが、この方ほどその点をわきまえて”敢えて”つづっている人もいないと思う。
そういった根本的なスタンスが、これだけ多くの人をひきつけているのだろう。
単なる”占い”ブーム的なものだけが、これだけの読者数を支えているのではないと思う。
加えてこの”三本足の犬”の話は、いま不安に駆られがちな我々にとって、とても大切な認識をあたえてくれる。
この一文だけでも、手にとる価値はあるのではないか。
もう一冊。
『青い鳥の本』。
いやー、まってました、こういうのを。
いいねえ、がっつり読みたいんだけど、もったいないので微妙に目に触れる場所に置いておいて、気が向いたらぱっと開いて読む。
それが、ものすごくいい。
いわゆるビブリオマンシーという手法らしいのだが、そういうディティールに関しては、この本については,
どうでもいいのではないか。
ぱっと気になったときに、ぱっと開いてみる。
そこに、そのとき、その場所にしかない言葉が飛び込んでくる。
これがいい。
たとえは悪いかもしれないが、シュレディンガーの猫みたいだ。
ただ一点だけ問題なのは、いったいどれだけ読み終わったのかがわからないことだ(爆)
いや、おなじ一文でも上記のように、その場その時でじつは違った一文ではあるのだが―。
当ブログで取り上げるたびに、石井嬢の真骨頂は占いそのものではなくその文章にある、と書いてきたが、その両者がいちばんいい形で融合している、良い一冊だと思う。
占いとかを抜きに、ちょっとこころが煤けているとき、手にとって読んでみるといい。
開いたページの文章が、青い鳥のように、新たな空気を運んできてくれる。
※あと全然関係ないが、ジョジョ第三部の”ハーミット・パープル”もこれでいくとある種のビブリオマンシーなのだな。
ページを開くか、ポラロイドぶっ壊すかの違いで(笑)。
またひとつ賢くなってしまったw