突破する力/猪瀬直樹

標準

twitterのTLでよく見かけるので読んでみた。

都の「非実在青少年」条例問題の猪瀬氏の言は正直感心しなかったのだが、否定してるだけでは建設的なものはなにも生まれてこないので、癪に障るが自腹を切って読んでみた。

突破する力 (青春新書インテリジェンス)



確かに良書で、週刊文春などの連載でのガチゴチの硬い文章とは違って、非常に読みやすい。
内容も、三十代までぐらいのビジネスマン向けがターゲットなのか、その世代には参考になるところも多いだろう。

けどTL上で絶賛されてる程の大作でもない、正直なところ。

数ある新書の中でも、著者の力量が反映されている分だけ良質である、という程度。
いわゆる昨今濫発されている「新書」のクオリティを大きく越えるものではなかった。
(本書の中で「こんなもんでいい」か「そこまでやるか」というのがあったが、「そこまでやるか」を本書には感じなかった)

しかし、モノの考え方としては共感できるところが多く、改めて参考にしたいところも多々あった。
加えて、氏がかなり”激情の人”である部分も読み取れたのは収穫だった。

ただ、だからこそ例の都条例の氏のスタンスへは未だ疑問なんだが。

あと、よく考えてみるとTLでの絶賛の多くは実は氏自身によるフォロワーの感想のRTでもあったりする。

そこにうまく乗せられちゃったかな(苦笑)。

「認められない」なら「認められる」よう持っていく―皮肉ではなくお見事です。
こういうしたたかさは見習わなければ。

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