会田誠展『GROUND NO PLAN』

標準

ひさびさに会田誠氏の個展があるということで、先週観にいってきた。
今回は以前の六本木であったような全体展ではなく都市開発・都市景観といったテーマで行われた展示の模様。

会期はもう終わってしまっているがご紹介しておく。





現代美術・・・というくくりになると思うが、そういうものの中で比較的凡庸な自分でもわかりやすい・・・ではないな、観てて面白いと思えるのが会田氏の作品。


「わかる」というよりなにかしらを「感じる」としたほうがこの手のものは適切なのかもしれないが、今回は上述のように都市開発というテーマでの展示もあって、いつもよりさらにテキストベースの作品が多かった。なのでどうしても「考えて」観る感じになるのだが、意外と納得できることが書かれていて逆に混乱するという(苦笑)。

個人的にはこの方の作品はその「文脈」のようなものがなんとなく理解できそう・・・というか「こういうことなのかな?」という連想の糸口のようなものがちゃんとあるというか見えるというか、そこが安心できる。(現代美術と名の付くものには正直なにを意図してるのかさっぱりわからず、かといってなにか感慨を受けるでもなく・・・というのがけっこう多いので)



で、要は東京を都市開発、改造するなら―という感じのお題で作品が並ぶわけですが、これがけっこうおもしろかった。ベタとはいえお城風の都庁とか(完成予想図はともかくw)それもそうだな、と納得させられる感じ。おなじく新宿御苑の改良プランも一見暴論のようでけっこうおもしろかった(ただ黒板に板書されていたので十分に読めなかったのは少し残念)
あとは例によってサブカルからの引用が皮肉が効いていてあいかわらずだなあという感じ(笑)。



ほか書きなぐった文字や瓦礫、映像の投影など、現代芸術らしく様々な表現方法用いられているが、↓このあたりなんかはすごく共感できたりして「どこまで本気でとらえればいいの?(笑)」という”ポジティブな混乱”がこの方の作風らしいな、と。




とまあ比較的小規模な展示ながら、あいかわらず常識の外へ常識を踏まえながら意図的にはみ出している感じでみていて楽しかった。おそらく展示的には一番最後のスペースとなる箇所の坂口安吾の英訳文と発泡スチロールに植えられた苗木?+それを包むようにして回るNゲージの展示などは(展示の趣旨とは違うのかもしれないが)ちょっと動的平衡論を感じさせられてニヤッとしてしまった。

こういう現代芸術系の作品はなにげに展示そのものが作品的なところもあると思うので大変かもしれないが、ちょくちょくあちこちでやっていただけると嬉しいのだが。
氏の作品展に関してはまた次の機会があればぜひ観にいきたい。



※まさか相原コージ作品の引用があるとはw










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