【レビュー】『むかしむかしのきょうのぼく 1 〜週刊はじめての初音ミク〜』

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遅ればせながらレビュー。
YJ誌掲載の”目つきの悪い”ミクさん(笑)、ついに単行本化。

『むかしむかしのきょうのぼく 1 〜週刊はじめての初音ミク〜』



個人的にはYJ誌の前のmikumixの頃から、このミクさんはお気に入りで、単行本出たら買おうとは思っていた。
webサイトでもほぼ全編読む事が出来るのだが、本書だと巻末に星守る犬の村上たかし氏が、ストーリーを担当した書き下ろしがあり、これが結構いいぐあいに泣ける。
(というかここまでボカロとして”ハングアップ”を描写したのは意外にも本書が初かも―内容といい、ちょっと鉄腕アトムを彷彿とさせる)

ただ惜しむらくは、連載当初のエピソードは、製作陣もどういう路線で行こうかという迷いが見え、それが掲載誌であるYJの他作品をネタにしたものが多く、ボカロというキャラクターの汎用性、というか普遍性からするともったいなく感じたのは事実。(GANTZの球体があったのには笑ったが)

これはルカが登場してゲームフリークである、という設定が出てきたあたりで解消されてきているように見えるが、いまだある種の諸刃の剣ではあると思う。

今後そういうところが減り、このバージョン独自の世界観が定着してくるのなら、これはこれで面白い派生として広がっていくように思う。

少なくとも、かわいさ、きれいさなどを売りにする派生作品よりは個人的に好みである。

そこも例の『むかしむかしのきょうのぼく』のPVがしっかりと方向性は指し示しているかと思うので、あとはそのなかでどれだけ幅を広げて製作側がいい意味で楽しんでいけるか―そこがポイントだろう。

とりあえずMEIKO使いの自分としてはねーさんが意外とウェイト高く登場しているので良しとする(笑)。

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