13時間 ベンガジの秘密の兵士/マイケル・ベイ 監督

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日本もここのところキナ臭くなってきているので、ちょっと認識を改める意味でも見てみるかと少し前にamazonプライムにて視聴。2012年のベンガジ(リビア)でのアメリカ大使殺害とそれに伴う在外公館襲撃事件をもとにした実話ベースの一本。

いや、以前同じような作品の『NAVY SEALS』も見たが、よくこんなアメリカにケンカ売るなあと感心する。もちろん首を先に突っ込んでるアメリカもアメリカなのだが、それは逆にいうとこれだけの自信があるからだろうな。

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要はリビアはベンガジで、以前アメリカ国内で作成されたインディーズフィルムがイスラムをバカにした内容だったことで反米感情が爆発しているところに、アメリカ大使の来訪がばれて襲撃→大使殺害、以前から潜伏工作を行っていたCIAの拠点も暴徒に攻められ、彼らが脱出するまでを描いた一本である。

で、すごいのがCIAの情報工作拠点を守っているのが軍でなくて民間警備会社とか傭兵に近い感じの非公式な武装組織なのな(もちろんアメリカ人による組織)。CIAもその全盛期と違って、本作を見るに非常に文官然としており、かつての日本国内のフィクション界を席巻した強面のイメージはもうあまり見えてこない。せいぜい今回の任務で退職だという指揮者が勝手なことをすると契約解除するぞ!と施設を守る傭兵たちに脅しをかける程度だ。

そして本作は実話ベースだけに、ほんと無駄な装飾がない―というか事実は小説よりも奇なりということの証明だろうか―次から次へと押し寄せてくる暴徒や民兵たちから在外公館・情報工作拠点を守ろうとする傭兵たちの劣勢を強いられる中での奮闘に手を汗握るうちに最後まであっという間。

ある種ドキュメントタッチな性格を持つ一本なので、映画のつくりとして特に特筆するべきところもないのだが、こういう武力・暴力を前提に外交を組み立てているのがアメリカという”帝国”なのだな、と。そら本気度が違いますわ。

そういうアメリカの国の凄さ(そして酷さ)としたたかさのようなものを実感するには良い一本だったと思う。腹の括り方というかな。

日本もだいぶ前にペルー大使館で似たような状況に陥っているが、それがいいのか悪いのかは別として、アメリカが当事者ならあんな長期化はおそらくしなかったんだろうなと思うと同時に、自国絡みのこういった事件が起きた場合にどう対処するのが一番ベストなのか?というのは危機管理の意味でも教育の意味でも、広く多くの人が考えておくべきことなんじゃないかなとも思ってみたり。

なんにせよなかなかいろんな意味でヘビィな一本でした。





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