STARWARS エピソード7 フォースの覚醒

標準

特段ファンというほどでもないのだが、なんだかんだいってEP5以外は全部劇場で見てるので、まあここまで付き合ってる以上一応見に行っとくか、ということで行ってきた。(EP4も確か小学1年か2年ぐらいの時に親に連れられて見てるはず)

>


あらためて説明するまでもないと思うが、アメリカが誇るSF長編シリーズですな。永野護氏をして「最新北米神話」と言わしめていたがほんとその通りかと思う。アメリカという若い、歴史の浅い国にとってはこれはある種の神話時代の英雄譚的な役割を果たしているんじゃないかな。

で、元々9部作と最初から言われていたのがこれまでの最新作であったEP3をもって原作者ジョージ・ルーカスが終結宣言を出し、一旦完結と思われていたが、ディズニーへ権利が移ったことにより再始動となったようだ。
そういう意味で本来のスターウォーズはEP1~6のダース・ベイダーの物語を持って完結し、本作EP7からは新しいフェイズに入ったと捉えるべきだろうか。

もちろんベイダーの影は本作にも見て取れるのだが、その部分を含め本EP7は意外なまでに過去作からの情報をあまりいれ込まずに作られている印象を受けた。

とはいってもXウィングやストームトゥルーパー、ある意味主役機と言えるミレニアムファルコン号などは登場し―それも旧作を知っているならニヤッとする形で登場し―この作品世界を構成する重要なディティールとして存在しているんだが、やはりその骨子の物語の部分は世代が変わったことを実感させられる。

そういう意味では上記の予告編から想像するような歴史や伝説の復活を感じさせるようなストーリーラインではなく、ほんとうに新たな主人公レイの冒険の始まりという要素が強いようだ。なので旧作を強く意識して観に行った客層はけっこう肩透かしを食らうかもしれない。逆にこのタイミングで初めて「スターウォーズ」の世界に接する人にとってはいい導入部となっているのではないか。このあたりシリーズものとして考えるなら判断は微妙なところだが「金を稼げるシリーズコンテンツ―その今後数十年に向けてのリブート」ということなら非常に無難な滑り出しといえるだろう。

ということで非常に評価のむつかしいところではあるが、例によって三部作構成なので残りの2作の内容次第で本作の評価は大きく変わるだろう。

そしてそういった小むづかしいことを考えずに映像を楽しむ作品としてならば、やはりアメリカの映画産業をある意味体現する作品でもあるので、その画面の作りやスケール感は一見の価値はある。
個人的には嬉しい誤算だったのが新キャラのドロイドBB-8。トレイラーなどでみると見た目があざといだけのマスコットキャラのようでどうなんだろうと思っていたが、その演出のつけ方が見事で、あざといのはあざといがここまできっちりやられると逆にファンになってしまった(笑)。

あと特筆すべきこととしては、なんとなく日本のアニメーションスタイルの影響をそこかしこに感じる。これは日本人としての悪しき思い上がりなのかもしれないが、そこここで「あー、なんかこういう演出見たことあるな~」とかガジェットやディティールの細々としたところでそれとなく感じるのよね。このあたりはぜひ本作をご覧になった他の方の印象も聞いてみたいところ。

まあなんだかんだ言って久々にこういう娯楽大作をみるのはそれなりに楽しかった。
冒頭で「最新北米神話」と書いたが、要はお祭りとか伝統行事のようなものなので、シリーズ未見の方はこれを機会に覗いてみてもよいのでは?


蛇足:今回の悪役、カイロ・レンがなんとなくマリリン・マンソンぽくって性格がダメなところも含めなんかいいなあ(笑)。どことなく富野作品のダメ・ヘタレライバルキャラの系譜を感じさせる。しかし彼のあのルックスはいったいどっちに似たんだwww

スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイコレクション(9枚組) (初回生産限定) [Blu-ray]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2015-11-13)
売り上げランキング: 63

コメントを残す