東京タワー蝋人形館最終日/森美術館LOVE展

標準

名古屋・伊勢ツアー+新横ミクさんライブのスケジュールをこなした週の日曜日。
朝起きてツイッターぼへーと見てると「蝋人形館きょうで最後なんですね」というどなたかのツイート。

「なぬー!?」

あわてて行ってまいりました@9/1

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存外、東京に永くなると都内の名勝なんちゅうモノは意外なほど足を運ばないもので、東京タワーも例に漏れず、これまで近くまで足を運ぶことはあっても、中に入ることはなかった。

もちろん、蝋人形館自体は気になっていたが、展示の性質から、特に頻繁になにか新しいものが入るなどといったニュースを聞くこともまれで、自然とここまでほっぱらかし。

だが、やはりなんといっても、蝋人形館あっての東京タワー。

それがなくなるというのであれば、それはやはり一つの時代の区切り目だろう。ならば、その時代の変わり目というのはこの目で確かめられるのであれば確かめておくべきだろう―てなことを考えながら行ってきました。

しかし当日、さいっ高に気温暑くてですね、こっちが蝋人形のように融けちゃうかと思いましたよ!?

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で、行かれた方はご存知かと思うとおもうが、施設自体はいまとなっては時代を感じさせる、こじんまりとしたよく地方にある珍博物館的なノリ。ただ主役の蝋人形たちは本家イギリスの製作監修だけあって、素晴らしい出来。面白かったのは、最近のデジカメについている表情検知の機能がここの蝋人形たちにはばっちりと反応していたこと。

そして、彼ら・彼女らは、それぞれ一時代を築き上げてきた人たちばかり。

そんなみんなが、薄暮れた照明のなかに照らされつつ、時代とともに去っていくんだなあ、と思うと、なんかこの場独特の寂れた感じがよりいっそう情感を増す。
ひとりイスに腰掛けるジミヘンがなんとなく寂しそうに見えたのはそのせいか。

しかしこの蝋人形館、じつはもう一つの側面があって、メインのコースを終えて脇の展示室に入ると、ロックミュージシャンばかりの展示のコーナとなる。

ここはそういった寂しさとは無関係で、すごく陽気で猥雑な雰囲気に溢れていた。
(かかってた曲がよかったので店員のお姉さんに聞いたらアシュラテンペルのライブ盤だったらしいいんだが、残念ながら品切れだった)

あ、そうそうアシュラテンペルで思い出しましたが、ここのコーナーで並べられてるモンの単語は見る人が見れば吹きまくりですな。関連単語多すぎやw

てなことで、思ったほど湿った気分にならずに蝋人形館を後にする。
後で聞いたところによると、場所をかえて蝋人形館的なものは存続はするらしい。ただロックミュージシャン云々的な名前になるそうなので、上記の別展示みたいなものが主流になるのかもしれない。

当日は、藤子不二雄展もやってたらしく、お子様づれたくさん。きらきらと輝くお子様たちと八月晦日・・・じゃなかった、九月朔の直射日光を避けながら、東京タワーを後にする。

で、この日あわてて飛び出てきたのは、同じくこの日が最終日だった六本木ヒルズ・森美術館のLOVE展も見ておきたかったため。ということで大江戸線で六本木まで移動。

しかし繰り返しになるが、この日メタクソ暑くてヒルズの1階のオープンテラスでクソ高いオレンジジュースで水分補給。

ちょっと人心地ついたところで、チケット窓口に。するとやはりこの日、おなじエリアでハリーポッターのなんたら展をやっているらしく膨大な人の波(@@;)
が、そこは近代設備らしく、顧客の誘導がしっかりしていたので人数少な目のLOVE展のほうはスムーズに進んだ。

で、当然まわりはわかいカップルの方が多いですな(泣)。

忸怩たる気分がなくはないが、どうにかしてどうなるモンでもないので、チケットを買って52階?まで高速エレベータで。
そこからさらにエスカレータで1階上がって美術館に。春先の会田誠展以来。

展示自体はいろいろとテーマごとにセクション分けされていて、それなりに面白かった。江戸時代の春画とかが18禁スペースだったのは笑ったが。(確かに内容的にはそうだな)ご先祖様の時代から日本人は大して変わっていないのかもしれない(苦笑)。

今回はあまり下調べせずにぱっと見にいったので、ジョルジュ・デ・キリコが展示されているのは知らなくて、それはちょっとお得な感じだった。。
あと意外と面白かったのは写真や絵画でなく、文字での表現。たしか恋人に別れを告げられた作者が、その際の手紙にどう反応するべきかをいろんな人に依頼してそれを一連の作品として展示していた?ヤツとか。あと草間彌生先生の作品は相変わらず水玉蛍光色+前面鏡張りの部屋での展示だったので頭クラクラした(笑)。

全体的に面白い展示ではあったと思うんだけれども、実は少し物足りないな、と思ったのは、こういったいろいろな愛の形や側面の展示が、どうしても”光”の側面寄りのものが多かったかな、というところか。

愛という感情はポジティブに回っているうちは文字通り相生の関係となるが、それがネガティブにまわり始めると、執着や憎悪を産む。

けれど、それも実はひとつの愛の形なんだよな。

もちろん、そんなモンには多くの人が関わりたくないと思うのが当然だし、自分も御免被る(笑)。しかし、そういった深海の暗闇からこそ見える混沌の景色ならではの美というのはあるはずなんだ。そこがあまり見れなかった、というのは実は「愛」という言葉の文字通り半分しか映してていないのではないか?そういうもやもやは残った。
(唯一、荒木経惟氏の作品のノーガードさがそれに近い印象を受けたといえば受けたか―それは決してネガティブさを前提に撮られたものではないと思うのだが)

てなことを考えながら、最後のブースにたどり着くとそこではミクさんが待ってたわけで。
(ここでのメイン展示は例のMikumentary―加えて小さいながらも全方位立体表示のデバイスも)

点と線が円になる、というのも確かに「愛」ですわな。
意外と、これが唯一そういった人間の光と闇の部分から解き放たれたフラットな愛なのかもしれない。

と、展示そのものにインパクトを受けた、というより、間接的にいろいろ考える材料を与えてもらった、という意味では見ておいてよかった展示だった。

その後は美術館のチケットで入れるスカイラウンジで、都内の景色をぼへーっと見つつ。
(なにげにいまひとつ依頼を受けている仕事用の素材にぴったりじゃん!?と思い写真をパシャパシャもしておりましたが:苦笑)


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いやー、しかしここの景色って確かにきれいなんだけど、高所恐怖症の自分には長時間はきついので、例によって10分ちょっとふらふらして即撤収。
どう考えても、あんな窓の際でにこやかに景色見る余裕は自分にはないっすw


8月末からのジェットコースタースケジュールは、ここらでやっと一段落―。



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