ダイバージェント/ニール・バーガー

標準

先日試写会あたったので有楽町よみうりホールにて。

最終戦争後、生き残った人類はその社会を維持するため適性テスト行い、その結果で5つの種別に分類・グループ化し、それぞれの社会的役割を分担していた。
奉仕をもっともとする<無欲>のグループで育った主人公・トリスは、テストの年齢を迎えるが彼女のテストの結果は<判別不能>=異端者(ダイバージェント)だった。


よくある近未来SF的なエンターテイメント作品である。
こういう最終戦争後の世界、というのは意外とアメリカでも定番なんだなあ。いやきらいじゃないですけど(笑)。

主人公が<無欲>出身であるにもかかわらず能動的なグループである<勇敢>を選び、その”勇敢”グループの描写がいかにもアメリカ的なそれだなあ、というのはちょっと興味深い。
他作品のレビューでも何度か書いているが、こういった無防備なアメリカ礼賛的なものを見せられた時のゆるい笑いというか、この能天気さへのうらやましさというか―そういうものを本作にも感じた。

そういうこともあるのか、もともとティーン向けな傾向もみてとれる+基本的にそつなくまとまっている一本なので、高校生のカップルなんぞが夏休みのデートムービーとして見るにはもってこいではないだろうか。

おっさんの自分もフツーに楽しめたが、特に後に残るような話でもないので、まんまそのままを楽しんだ感じ。

そういうこともあって、どちらかというと印象に残ったのはストーリーよりもキャスティングのほう。
主人公の女の子はアメリカンティーンらしい、というか健康的な丸顔でこの手の話としては珍しいように思うが、このあたりはまさに作品のテーマからして「身近にいそうな女の子」というところがポイントだったのかな。
また彼女をなにかと助けてくれる教官の兄ちゃんがどことなくイチローに見えて、観てるあいだずーっと落ち着かなかったのは秘密だ(苦笑)。そしてその彼の仇役的な憎らしげなもう一人のマッチョ教官や同期の”クズ白人”的な兄ちゃんたちのキャスティングもいい顔の俳優さんたち選んでると思う。

そしてなんといってもとどめはラスボス的な<博学>のおばさんか。

金髪で政治的な権力者の女性=どーみてもヒ○リーさんですよね、ほんとうにありがとうございましたw

こういうところ意外と露骨にキャラメイキングやるよね、ハリウッドは。

作品としてはいちおうきれいに閉じた上で、続編も作れそうな「俺たちの戦いはこれからだ!」エンド。
けどどうなんかねえ。興収はそんなに悪くはなさそうなんだが、作品としてのとくに驚きもない=予算縮小してのしょぼい続編コースかしら、あったとしても。

ただ、本作での”通過儀礼”的な描写はなかなか含蓄深いというか。

本来は必要なんだよね、都市化された社会にあってもこういう通過儀礼は。
少なくともこういうのが本来の意味での”成人式”であって、晴れ着来てディズ○ーランドに行くのはどう考えてもちがうとおもうぞ?

かといって走ってる列車から隣のビルに飛び降りたり、ビルの底の抜けた穴から数階下へ飛び降りるのもどうかと思うが(苦笑)

コメントを残す