最近あまりマンガも買ってなかったんだけど、自分の身の回りが不安定になってくるとやはりいろいろと死んでた感覚も戻ってくるようで(苦笑)。
なのでここ一月は珍しくいろいろと衝動買いしてました。
それも主にジャケ買いみたいな感じでなるべく自分が読んだことがない作家さんのものを。
ありがとう!book○ff!!(違)
ということでいくつかご紹介。
『テルマエ・ロマエ』/ヤマザキ・マリ
けっこう書店によっては平積みされてたり。これは自分で買った覚えがなくてなぜかアマゾンから別の本を頼んだときに一緒に入ってた・・・。
頼んだ覚えないのに・・・(笑)。
で、ローマ帝国時代の建築士が現代日本へタイムスリップし、日本の風呂文化をもちかえり・・・というギャグマンガ。
このおおげさなナンセンスさを楽しめるかどうかが本書の評価の分かれ目になるでしょう。
面白かったけど、たぶん自分でお金を払っては買わなかったと思う(笑)。
『篠房六郎短編集~こども生物兵器~』/篠房六郎
これはまったく知らない作家さんだった。デッサンがしっかりしているようなので買ってみた。
表題どおり短編集だが、それぞれぼちぼち読める感じだが「お、いいな?」と思った最後の『空談師』という前後編はやはり内容をアップグレードして単独シリーズとしても展開されているらしい。
これはちょっと気が向いたら探して読んでみようと思う。
『おひっこし』/沙村広明(竹易てあし)
無限の住人の沙村広明氏のギャグ?短編集。氏の硬質な線でギャグをやると暑苦しい話もスタイリッシュになるのが不思議(笑)。
話的には強烈になにかがあるというわけでもないが、佳作が並ぶ短編集といっていいと思う、全体にながれるある種の暑苦しさは嫌いじゃない。
表題の『おひっこし』の最後「いや、なんか通りかかったんで」のセリフもイカしてるし、『少女漫画家無宿 涙のランチョン日記』の無駄にスケールのでかい悪ノリもいい。
ただし文字通り腹を抱えて笑いたいという意味での抱腹絶倒とはまた異なる点は一応お断りしておく。
これはずいぶん前に買ってたが未紹介なのでついでに。
『神話ポンチ』/桂明日香
ハニカムの桂明日香の別シリーズ。ハニカムがあまりにも面白かったのでいってみた。
基本的に少年誌むけラブコメ?らしいこともあって健全な青少年の下っ腹が血行良くなるような薄着のおねーちゃんたちが多々登場するが、あまり下品にならないのはやはり作者が女性というところが大きいか。
また設定だけをとればシリアスにも流れるところをいい意味でのほほんとしているのはこの作者ならではだろう。
そういう意味でこういうふうにリラックスして楽しめて読了感もほどほどある、というのはけっこうなアドバンテージではないだろうか。
『シドニアの騎士』/弐瓶 勉
アニメなんかでは散々巨大ロボットというのは暴れまわっているが、実はその大元といえる紙媒体のマンガでは実は「読める」巨大ロボットものというのは数えるほどしかない。
そういう意味ではこの一冊は発見だった、すごく「読める」。
謎の異星人によって地球は破壊され、数百年のスパンで宇宙を彷徨う「播種船」、それを守る「衛士」(もりと)と呼ばれる護衛機を操縦する少年少女の物語。
こう書くと設定としてはありきたりに見えるが、その通奏低音のように流れる暗さと独特の世界観は一見の価値あり。
個人的にはどんな作品でも「食事」と「ごみ」が出てくる作品を描ける作家は信頼していいと思ってるんだが、この作品も食事描写がいいし、主人公が大食漢で常に空腹というのもいい。
ただそれと対になるように寿命の来た人間や不慮の事故死を迎えた人間は「有機転換炉」で播種船の動力にされるという描写がされているのは特筆すべきだろう。
このあたり―巨大な播種船というのはハインラインの『メトセラの子ら』あたりを思い出す。
唯一の欠点は掲載誌がアフタヌーンらしく、つぎの単行本が来年の夏ということか。(泣)
『とりから往復書簡』/とり・みき 唐沢なをき
いわゆる”理数系ギャグ”といわれるとりみき、唐沢なをきのリレーエッセイマンガ。
徳間の『コミック・リュウ』に掲載されていたのを一時期読んでいたこともあり、bookoffで100円だったので買ってみた。
それにしてもこれだけ二人の作家が書いているというのに一冊として違和感のない本というのは珍しいのではないか(苦笑)。
もともと唐沢氏がとり氏のアシスタントだったということがあるにしても、内容、画風ともに違和感がない。
またサブカルエッセイマンガとして読んでいて非常におもしろい。
以上、ざっとここまでのところを。
実はあと数冊あるんだがそれぞれ一頁必要とするので別途。
※2022/06 一部リンク切れを修正