三池映画に谷村美月・・・・・。
当時劇場まで見にいくがずいぶん迷ったんだ―。
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で、レンタル落ちをぽちっとなしたわけだが、
大傑作じゃないか!?どちくしょー!?
ご存知のようにジャンル選ばず世界でもっとも多忙な監督とも言われる三池崇史。
それだけでなく、その独特の演出方法もあって、非常にクセの強い作品を世に送り出すことでも有名な監督でもある。
その演出方法はフツーの映画を期待して見にいく人にはかなり拒否感を持って見られることもあるかと思うが、自分は『DOA』のラストや『漂流街』の「埼玉県戸田市」のテロップでノックダウンされて以来大ファンw
その三池監督作品に『カナリア』の谷村美月ちゃんが出るということで当時かなり見にいきたかった映画でした。(確か迷ってるうちに上映終了になってしまった)
精子バンクで生まれた天才少女が落ちこぼれの寿司屋見習いのロック少年と宇宙開闢の謎に挑む―。
こう書くだけでいかにムチャクチャな映画になるかと思いきや、これまでみた三池作品の中で
一番エンターテイメント性とストーリー性の
バランスが取れてる
大傑作ではありませんか!?
これはやはり谷村美月の演技力の部分がものすごく大きい。
あの孤独と屈折した感情とを静かな仮面の下に表現できる若手の女優さんというのはなかなかいないと思う―というか、当時この役できるのはこの人しかいなかったんじゃないだろうか。
そしてそれと対を成す三池作品にありがちなヤンキーちっくな一見”頭の悪そうな”(笑)主人公を演じた市原隼人もすごくよかった。
「理」で動くヒロイン・サラカ(谷村)に「情」で動く主人公・基一(市原)。
一見「情」の熱さが「理」を溶かしてゆくようにも見えるが、その「情」も大きな「理」の裡(うち)にある・・・そういうスケールの大きさをどことなく感じれて、その上エンターテイメント、オマケに泣けるという。
見る人すべてにこれが当てはまるとはいわないが、個人的にはすごくツボにはまる映画だった。
おまけに意外と量子論の説明が丁寧で正確だったのには驚いた(笑)。
おまけにRIZE版のPINKSPIDER途中でかかるしw
そして嵐の中、ヒロイン・サラカを助けに行くために基一が自転車でぶっ飛ばすのもいい。
(少年は少女を助けるためには走らなければいけないのである、これは宮崎駿もいっとるw)
その彼女の孤独はまさに全宇宙にも等しいが、その孤独は「握ってきたんだよ、喰え!」と差し出されたこはだの握りで溶かされる。
そう、そんなものですら実はすべての宇宙に等しいんだよ―
(なにいってるかわからんかもしれんがw)
自分も自分の”ダチ”がほんとうに心の底から孤独に打ち震えているのならこはだのすしを握って「食えよ」そういえる男になりたい―。
ふざけているのではなく、まじめにそう思った映画。
大傑作である。