のぼうの城/和田竜

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隣町の古本屋で、上下巻の小学館文庫版を。二冊併せて400円ほど。

のぼうの城 [単行本]
和田 竜

野村萬斎主演で昨年映画化の作品かと思うが、映画は未見。内容的には秀吉の小田原攻めの際の別戦線―北条方である成田氏の居城・忍城の攻防戦を描いた一作。

城主・成田氏長が北条方を見限りつつも、盟約上、小田原へ出兵せざるを得ず、その間の留守の城代となった”のぼう様”こと成田長親を中心とした城方と、秀吉に私淑し人一倍自負心があるにも関わらず、いまだ武功らしい武功をあげていない石田三成、その両者の対決を軸に、後に”石田堤”の逸話を残した、忍城の水攻めを描いている。
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信長の棺/加藤廣

標準

隣町の古本屋にて。上下巻で400円。

信長の棺(上)

信長の棺(下)


『信長公記』の著者・大田牛一を主人公に、本能寺の変に消えた織田信長の遺体を巡る歴史ミステリー。
本能寺の変を当事者の視点ではなく、信長・秀吉の時代を”記録者”として生きた大田和泉守を狂言回しとして、謎の多い本能寺の変の裏側をたどる良質のミステリ小説。

ちなみに著者75歳にしての小説処女作とのこと。

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蝉丸Pのつれづれ仏教講座/蝉丸P

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ニコ動にて”僧職系男子”、”リア”(リアル住職)とのタグで一世を風靡した蝉丸Pの処女単行本。

蝉丸Pのつれづれ仏教講座 [単行本]


ニコニコ動画での仏教講座からの内容をはじめ、その博覧強記―いろんな意味で有り余る知識を詰め込んだ非常に濃厚な一冊。

そのゲーム、同人文化といったサブカル方面からの膨大な引用、という体裁をとりつつも読後それと相反するように基本的な仏教に関する知識がしっかり身につくという、不思議な功徳(笑)に満ち溢れている。
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