あと出しジャンケンに負けないために

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昨日、都内23区はじめ東京都下の水源で基準値超えるヨウ素検出との報道があり、乳幼児の摂るものには使用を控えろとの報道がありました。

大人に関しては例によって「直ちに健康に害を及ぼすものではない」の決め台詞が。

基本、その情報で公式発表としてはいいと思うんですが、基本ここまでずっとマズい感じの数字は「あとになって」
出てきています。

これをして「政府やマスコミは何かを隠してる!」と憤慨している人もいるみたいですが、自分は「確かなことを確認して言えるまで情報が整理できていない」んだと思います。

※なので上杉隆氏などフリージャーナリストは「考えるのは受け取る側がやるので、まずわかってる数値をそのまま出してくれ」といってるわけですね→しかし記者クラブ以外のフリーランス(含む海外メディア)はここまでほぼ締め出し。

基本、情報が上がってくる側に悪意はなくとも、現状「あと出しジャンケン」の状態です。

それをそのまま受け取って心穏やかに過ごすのも、万が一のことを考えて備えておくのも自己判断。
各自のお好みで。

ただ自分は自分の知っている人たちにはあとで後悔してほしくないと思うのでこういっておきたいと思います。

「想像力を働かせて、自分でできる程度の備えはしておいてほしい」と。

なにもあわてろといってるわけじゃなくて、ちょっと考えてみて、っていうことですよね。
わかっている事実と、ふつうに想像力を働かせればわかること―。
そこは考えておいてもいいんじゃないか。

今回の水の件にしても、あんだけハデに核物質固まってあるところで爆発があって、一つも周りに飛び散らないはずがない。

ましてやいまも天井あきっぱなし―青天井でっせ?
おまけに炉内の圧力を下げるために不定期に弁を開けて内容物を放出している状態。

そういうことを普通の想像力で考えれば、周りへの拡散→水源やられるかも→水は貯めておいた方が、ぐらいは想像できますよね。

そういうことです。

で、ここから先もおなじです。
雨で空気中に漂っていた放射性物質が落ちてくる→水が集まる→一緒に放射性物質も集まる。
なので雨の日は数値が上がる、というのも想像できる。
そういったものが集積される場所なので水源地でも検知された、そういうことでしょう。
それが正直成人にどの程度影響与えるのか素人には判断できません。
ましてや間違いなく「それが全て」といえる状況でもないです。
だから臆病なのではなく謙虚ということで行きましょう。
どんなに情報仕入れても所詮我々は「素人」です。

なので、素人は素人なりに自然な想像力を働かせて、今後のプロセスを考えてみる。
わかっている事実はこれで、そこにどういうリスクがあるのか、と。
それを込みで行動する癖はつけておいたほうがいいと思っています。

これから先の放射性物質の蓄積などもそうです。

悪いほうに行かなければそれに越したことはない。
けれど悪いほうに行った場合、悔し泣きや泣き寝入りをしないためにも「ほんの少しの想像力」は必要かと。
そして、逆にいうとそういう「普通の想像力」で備えることで防げることはたくさんあると思います。

噂には聞いてたがこりゃ凄い

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HONDAとgoogleで作った被災地までの道路・通行実績マップ。
http://shinsai.mapping.jp/


(プラグインのインストール要求してくるが指示に従えば問題なし)


噂には聞いていたがこりゃ凄い。


チェック入れるだけで避難所情報やらが一発で・視覚的にわかる。
で、おそらく青い線になっているところが通行可能実績のある道路ということなんだろう。
加えて現時点ではHONDAの情報だけでなくTOYOTAも情報提供している模様。

こういうところはやっぱりGoogle凄いな。
あと自らの「自動車メーカー」という出自を踏まえた貢献をしたHONDA、TOYOTAの両社もGJ、素晴らしい。

【メモ】放射性物質とか核反応とか

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また例によって個人用メモです。




【メモ】ウラン・原子番号 92。


・原子炉で使われるのは同位体(陽子の数は同じで中性子の数が違う)ウラン235(陽子92個/中性子143個)


・ ウラン235は自然界には0.7%。(ほとんどは238)


・人工的な分裂でなく自然な状態での半減期は7億年。


・逆にいうとそれを人工的に反応させているのが核反応


・これが核爆弾であれば燃料となるウランを全て反応し尽して「燃え尽きる」


・原子炉は元々「燃え尽きさせない」設計なので逆にいうとやっかい




【メモ】半減期=元となる核物質の半数が自然に崩壊する期間(確率)のこと。


・今回の福島の燃料がウラン235だとするとそれが人工的な核反応で分裂して(元素番号の低い)ヨウ素、セシウム等になる。


・これ、かならずこの二つの元素になるのかまではちょっと確認とれず


・しかし報道見るとこの二つしかいまのところ名前聞かないのでこれでいいとしよう




【メモ】ヨウ素・原子番号 53。


・核反応でウランからできるヨウ素の同位体(陽子の数同じ/中性子だけ多い)はヨウ素131?(陽子53/中性子78?)


・半減期は「8.1日」(この日数で自然にヨウ素からまたさらに軽い元素へ変わる)




【メモ】セシウム・原子番号55。


・核反応の際にできる同位体はセシウム137(陽子55/中性子82)


・半減期は30.1年。生体内での半減期は「70日以下」


・体内に入った場合はプルシアンブルーで治療。


・セシウム137に結合し、体外への排出を促進。(ソース:wikipedia)




で、同位体ということを考えて、元となるウラン235から、ヨウ素・セシウムの同位体の陽子・中性子の数を考える、ということでいいのか?
必ずこのどちらかに分裂するとかセットで出てくるのかとかそこらがわからん。


原子炉の運転では崩壊促進(出力上げる)させるためには、減速した中性子を外部からあてる。
だから中性子が核反応のトリガー。


重水(水分子の同位体=中性子の数が多い=質量の重い水)はそのため(中性子の減速のため)に使う。
(減速した中性子のほうが燃料となるウランにつかまりやすいので=早いとつかまらない)
制御棒はその中性子を吸収するためのもの。不要な中性子を吸収して核反応を抑える。


放射能被害というのはこの核反応の際に出る放射線(種類複数あり)を近くで大量に浴びるか、飛散した核分裂の際の生成物(ヨウ素とかセシウム)を誤って体内に取り込んでしまった場合に分かれる(体内被曝)。


で、放射「線」に関しては、量的には前のエントリでも書いたように基準値があって、その範囲であれば大騒ぎをする必要はない。


放射性物質に関しては、現状の報道では健康に影響がでるほど飛んできてはいない、というが正確な量の報道はなし(不明)。
ただし、ある程度の量がもし飛んできているのなら、各地に設置されている放射性物質のモニタリングポスト(センサー)の数値があがるはず。参考→非公式+それぞれの測定地で採用してる単位の確認は必須だが日本各地での空気中の放射線量を調べる方法(Google Map)


(ただ、現状設置されているそれらの数(密度)や感度が十分なものかは不明=こういう事態を想定したものではないので)


現状個人でひろえるデーターからすると必要以上に不安がる必要はなし。
成人の場合は特に。


ただし、いましばらくの注視は必要。
今日も余震あったし。


いましばらく兜の緒は緩めぬよう。



「日本男児」という生き方

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うわー!?、ほんと面目ない。

そうとしか申し上げられません。

「日本男児」という生き方


戦没者の遺骨収集などの活動もされているフリージャーナリストの笹幸恵さんの一冊。
戦没者の慰霊活動や軍関連をフィールドとされている方だけあって、かつてのホンモノの「日本男児」を多く目にされたその目からの現代における「日本男児」論。2時間もかからず一気に読んでしまった。

いや、痛い、穴があったら入りたい。

それぐらい素晴らしい男性論であり、かつ女性論でもありました。
戦没者云々というとすわ「”右”か!?」というバカタレもいるかもしれないけど、一冊を通して凄く健全で”あたりまえ”のバランスで、いまこの2011年ならではの「男子たるもの」について語っている一冊といっていい。
以下目次だけ抜粋する。

・第1章 男の背中
・第2章 辛くとも「死ぬわけじゃない」
・第3章 動じない心
・第4章 俺がやらねば
・第5章 女におもねる男なんて
・第6章 デキる男は「聞き上手」
・第7章 傷ついてこそ人生
・第8章 潔さという美学
・第9章 「お姫様」は幸せか
・第10章 その志は本物ですか?
・第11章 人との「会話」ができますか?
・第12章 何のために偉くなる?
・第13章 やせ我慢ができてこそ
・第14章 逃げ道をつくるな
・第15章 転がす女、転がる男
・第16章 現代版「男尊女卑」のススメ
・第17章 半径50メートルの外へ出でよ

その語られている姿と我が身の乖離に、ただただ深く恥じ入るばかり。

たぶんいまの世の中がどうしようもなくなっているのは、ここに書かれているような男がいなくなってしまったからだろうな。

そら女も女やってる甲斐ないわ。
面目ない。

せめて自分は我が身の未熟を認めたうえで、早く自分の”現場”を作り上げたい。
そう思いました。覚悟、覚悟だよなぁ。

すぐにできることには限りがあるが、せめて背筋を伸ばすことからはじめよう。
今は至らずとも

「男子たるもの」

そういう志を持っていたい諸兄には必読の一冊。

国内メディア完全に置いてけぼりだな、こりゃ

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チュニジアあたりに端を発した民主化デモがエジプトにも波及している模様。

自分なりの把握がまだ十分できていないんだが、経済自由化と、それにともなう貧富の格差拡大、高失業率で既得権益層に対する若者たち中心のデモという、いまの日本からすればけっこう「明日は我が身」な感じ。
(一昔前なら考えられなかった話だが)

まあ一度「自由主義経済」という毒の果実をかじったなら、古き良き伝統的な保守政治なんてできっこない。
今回騒動の起こっているところはイスラム圏だと思うんだが、これまでの独裁長期政権も、相対的な貧しさと(正否はともかく)家父長的ニュアンスが、そういうムスリム的な保守伝統の部分とかみあってたからギリギリまわせてたんだろうか。

しかし「資本主義経済」という毒の果実の、旨みをいちど味わってしまったらもうそこへは戻れんわな。
逆にいうと、それにともなうイスラム圏の緩やかな解体と、拒否反応としてのイスラム原理主義のさらなる先鋭化・過激化が待っているのかもしれない。

日本国内での反応は鈍いようだが、欧米の株式市場が即反応していたのは、そういったところもあるんだろう。
昨秋の北朝鮮の韓国砲撃事件とちがって、対イスラムで真っ先に矢面に立たされるのはやはり欧米を中心としたキリスト教文化圏だろうから。

とかなんとか小理屈はさておき、国内メディアが扱いかねている中東情勢ですが
「そんなら現地メディアでみればいいジャマイカ!」

ということで早速探してみたらアルジャジーラのiPhoneアプリあったので入れてみたらリアルタイム中継やっとった。


国際放送なのでちゃんと英語版アリ。
なので英語版で昨晩しばらくぼーっとみとりました。
国内メディア完全に置いてけぼりだな、こりゃ





ICTというのは基本「中抜き」のテクノロジーだが、ほんとそれを今回顕著に感じた。
こうやって、中抜きで世界を直接把握する若い層が増えれば、日本もちっとはかわるだろうか。

ただ、まだまだ日本国内のテレビ大好きなひとは山ほどいて、その影響力が大きいのも事実。
そしてこの国の資産の大半を握ってる高齢者もテレビは大好きだ。
確かに楽だ、ただ受動的でさえあればいいから。

しかし、昔の人がいったこの言葉は本当に正解だった、と自分は最近痛感している。

「テレビばかり見ているとバカになる」

テレビもやはり毒の果実なんだよ。
そこに立体的な思考力は育たない。

ただテレビ大好きの人を止めるつもりも、議論する気も、自分にはない。

as you like.
it’s your own life.

※けどもちっと欧米の主要メディアストリーム放送増えてくれんかね。
 いちいちpodcast落として聞くのはめんどくさいわ(‘A`)