【2016】秋の行楽・その1(広島編)

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例によって実家がらみの用事があったので先月末ごろ少し西のほうへ帰っていたのだけど、それにかこつけていろいろ行ってきたのでまとめておく。

まずはなぜかというか例によってというか広島(苦笑)。今回はめずらしく旧友からのお誘いもあって一人旅ではなく連れ立っての旅だった。

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ということで少し用事で帰ることを伝えていたところ友人から「じゃあ広島行かんか?」というお誘いがあったので行ってきた-というか実は後述の理由でできたら広島行きたいなと思っていたので、渡りに船、と行ってきました。まずは恒例の宮島は厳島神社から。

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当日はその前の週までの曇天続きの天気が嘘のように天気が良くて、絶句の行楽日和。高く蒼い空に紅葉前の深い緑と青い海、それに栄える朱色の大鳥居、いやーまさに絶好のシチュエーション。
宗像の女神様には日ごろいちおう折あるごとにご挨拶していたことにご配慮いただいていたのであろうか(笑)。


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今回は前述のように友人も一緒の旅行だったのでいろいろとだべりながらお参りしーのカメラバシャバシャとりーのと比較的のんびりした感じの行程。
こういう旅は人を選ぶうえにスケジュールのこともあってなかなかおっさん同士では機会を作りにくいのだが、今回は気心の知れた友人とだったのですごくラッキーだったと思う。みんなも待ってるうちに人生の老い先はどんどん短くなるので行けるときに友だちと旅行は行っといたほうがいいぞ?(苦笑)

そしてお参りも済ませ、境内も一通り見て回り、仲見世入り口付近のお店で昼食。友人はカキフライ定食、自分はアナゴ飯を食べたんだが、実はこれがどちらかというとハズレ。しかしこれがこの日ラストへのある種の布石にもなった(笑)。

そして午後からは広島へ反転してのち、呉市の大和ミュージアムへ。


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ここは目玉となる1/10の戦艦大和の模型を堪能できて満足。そしてそういったことだけではなく実はこのミュージアムに展示されている実機類は特攻兵器の類が多く、いい意味で戦争というものの持つ重さについて考えさせられた。そういう意味では、世間一般から想像するイメージとは異なり非常にバランスのとれた良い博物館だったと思う。

特に大和の最後の作戦は―いくら当時の帝国の象徴かつ機密の塊である虎の子の兵器だったとはいえ―メンツや政治的な思惑ばかりを優先させ、戦術的には何の意味もない自殺作戦だったというのは展示を読むとはっきりわかって、ものすごく切ない気分になった。当時の空気というのはその犠牲の上にある今の平穏な時代の我々からは想像もつかないが、あまりにも哀しい、ただただ哀しい。大日本帝国の象徴でもあった船だったが故に乗組員の皆さんは誇りもあっただろう―それ故にその犬死に近い最後の作戦も拒否できない立場に多かれ少なかれ追いやられていたんだろうな。そして実はこれに近いメンタリティというのは今の世の中でも多かれ少なかれ形を変えて生き残っているのも我々は知っている。やり切れんな、と痛切に感じさせられた。

そしてそんな気分を抱きつつも次の呉市美術館へ―実はここでの展示があったので個人的にも今回広島へ行きたかったのもある。この秋クラウドファウンディングで映画化されるこうの史代さんの『この世界の片隅に』の展示がその上映に合わせて行われているのだ。

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戦争を題材とした作品は世の中にそれこそごまんとあるが、この作品はそれらと大きく異なっている。戦争の悲惨さを強調するわけでもなく、英雄的な悲劇に陶酔するわけでもなく―ただただひたすら日常の延長にあるものとしての戦争をこれほど淡々と描いている作品は少ないと思う。そこにはいわゆる社会的な観点からの善・悪はない。戦争という時代の中で生きた普通のひとたち、その悲喜こもごもをすべてひっくるめて”生きていくこと”を描いている。
そういう作品だったので原作のころから大好きな作品だったので、今回こういう形で映画化や展示が行われるというのはすごくうれしい。

展示自体は原作の原画をほぼすべて展示してあり、別階では今回の映画化にあたってのそのプロダクションワークを中心に展示してあった。時間が押していてあまりゆっくり回れなかったことだけが残念だったが、観にいけてよかったと思っている。興味を持たれた方はぜひ映画や作品情報に注目しておいていただけると嬉しい。



で、広島まで戻ってきて帰りの新幹線に乗るまでに晩ごはん。これというところを決めていなかったので、JR広島駅の駅ビルの中で探す。せっかくだからちゃんとしたところで食えるといいなあといいつつ、あーだーこーだと探したお店に入ると、これが大ヒット!飲食店に対する選球眼の無さでは定評のある自分(トホホ、)としてはこれでこのあとの運全部使い果たしたんじゃないか!?っちゅうぐらい美味しかった。季節と土地柄からカキフライ、カキのから揚げ、カキのガーリックバター炒め・・・うまい、美味すぎる・・・(感涙)。おまけに定食でついてきた鯛めしがががががが・・・至福・・・すごく美味しかった・・・美味しかったのよ。昼間のハズレはこれの布石だったのかというぐらい大ヒットのお店でした。
(気になる人は下の写真ヒントに探してみてね)
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あとは新幹線に乗って帰るだけ。すごいよ新幹線素敵だよ新幹線乗ってたら勝手に目的地まで連れて行ってくれるんだよ?(・・・)

とまあ丸一日使ってすごく充実した旅となりました。あまりこんな感じの―いわゆる「普通の旅行」というのはメンタルが貧乏人なので(苦笑)あまりこれまでやったことはなかったんだけど、いいっすね。
今後はもう少しこういった形で、いい意味で上手にお金を使っての旅行も開拓していきたいところ。誘ってもらった友人には感謝・感謝でございました。

いやしかし鯛めしうまかった・・・・・。
(正直今すぐもういっぺん食いたいw)






(余談)
じつはうちも母方をたどるとばあちゃんが広島生まれ呉育ちだったりする。そして世代的にはちょうど『この世界の~』の主人公であるすずさんと前後する。
そういう意味ではばあちゃんが潜り抜けてきた時代を追体験させてくれる作品ともいえるんだな。大好きだったばあちゃんもあの時代を生きていたんだと。

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