昨年の『DAWN』でより一層その存在感を大きく飛躍させたAimer、本年最初のシングルは例によって鉄板の『澤野弘之×Aimer』の組み合わせである。
さらに今回は澤野・荒木作品つながりでEGOISTのchelly嬢がゲストボーカルとして参加している。
SME (2016-05-11)
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Aimer、2016最初のシングル。アニメ『甲鉄城のカバネリ』とのタイアップ(エンディング曲)で同作品の劇伴を担当する澤野弘之による作品。また澤野作品つながりということもあってかchelly (EGOIST)とのコラボ曲となっている。タイトル曲およびそのTVサイズ、インスト等を含む全5曲。
例によって鉄板の組み合わせ「澤野弘之×Aimer」である。それに澤野弘之が劇伴を手掛けていた『ギルティクラウン』つながりで同作品の主題歌を担当していたEGOISTからボーカルのchelly嬢が参加している。この組み合わせとなったのは前述の『甲鉄城の~』、『ギルティ~』共に荒木哲郎監督の作品であり、双方とも劇伴を澤野弘之が担当していたということによるのだろう。(自分はこのあたり作品を見ていないので文字情報として知っているだけである)
とはいえ、基本的に本シングルの主役は間違いなくAimer嬢であり、彼女のボーカルあっての楽曲といっていい。曲調故ということもあるのか、敢えて似せているのか実はけっこうchelly嬢のパートというのは良く聞かないと判別しづらい(苦笑)。(敢えて言うと高めの声に注目するとchelly嬢のパートだとわかる)しかしその両者がハモるパートの独特のレゾナンスというのはその空気の震え具合が本当に素晴らしい。確かにこれを事前に予想していたのなら、混ぜたくもなるだろう。このchelly嬢の高音部分が載るので、よりAimer嬢のミッドローの効いたあの声の魅力がよりいや増す感じといえばいいだろうか。
曲としてはミッドテンポ澤野作品らしい佳曲。例によってスタンダードなナンバーに聞こえるがいろいろやってるっぽい感じがする、澤野作品らしい一品だと思う。
個人的にはタイトル曲よりもギターリフを中心に組み立てられたハードな曲調に、全曲英詞のAimerボーカルが載る2曲目の『Through My Blood
3曲目はAimer側のプロデュースチームであるagehasprings作品と思われる『スピカ』。ヘビイな澤野作品の後に続けてい聞くと良くも悪くもライトな感じで聴ける。その軽やかさな部分がフォーキーな曲調と相まって明るくさわやかな一品と言えるだろう。
実質上記の3曲で構成されるシングルだが、本年一発目のシングルとしてはとてもいい作品であると思う。またタイアップ作品である『甲鉄城の~』もそのべらぼうなクオリティで話題になっているようだ。自分は自宅にテレビがないので未見ではあるが、ネットの動画などで断片的に見た限りかなり凄いクオリティの作品の模様―なによりもここのところ本業の劇伴作家よりもボーカルワーク的なところの方が目立っていた澤野氏だが、本作のBGMはかなり力が入っているように感じたので、劇伴作品含めまた巷間で話題となる一作になるのかもしれない。
澤野×Aimer組は、Aimer嬢が今回のようにメインではないとはいえこの後6末にUCのTV版主題歌『Into the Sky』のEPが控えているし(BloodyFateの別バージョン?収録)、またその延長線上であの名演再び!ということで『RE:UnChild』としてのライブも8月に控えている。チケット取れるかはやきもきするところではあるが(苦笑)、このふたりの組み合わせのライブは経験者として言わせて頂くと「鉄板中の鉄板」なので非常に楽しみである。また本シングル同封のフライヤーにて告知の通りAimer嬢はいよいよ全国規模のホールツアーを行うようだ。そらそうだわな、昨今ライブであれだけ歌えるアーティストというのは貴重なので、今までなかったのがおかしいぐらい。
ただご存じのようにこの方は喉に爆弾を抱えつつ活動されている方でもあるので、ぜひ喉をいたわりつつがんばってほしいと思う。
本シングルはそういった本年の活動の初弾として、非常に幸先のいい作品になったといえるだろう。できれば今年も何らかの形でその「生」の歌声が聴ける機会があればいいな。
※20160515追記
例によってナタリーが良いインタビューをしているのでリンクを貼っておく。相変わらずいい仕事してるなあ。
Aimer with chelly(EGOIST)「ninelie」インタビュー(音楽ナタリー)
もちろん劇中歌としての意味もあるんだろうが、『DAWN』というアルバムを受けてと考えればコーラス部「Don’be afraid daybreak has come(怖がらないで 夜明けはやってくる)」は確かにこりゃ一本取られたわ、うっかり見逃してた。一見抽象的な歌詞に見えてこういう細かいところの心配りは流石(オマケに歌詞カードには敢えてその部分載せてないという)。澤野さんやるなあ・・・。(後日追記:英詞の部分は「夜が明けるのを恐れないで」のほうが正確かな?汗)
SME (2016-05-11)
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