自分は日進月歩の情報に取り残されないために、いちおう毎週、週刊アスキーを買ってる。
出版不況ということもあって、値段は徐々に値上がりしているが、基本的にPCやITそのものの情報はもちろんなんだが、その周辺のサブカルチャー的な部分の連載陣の質が非常に高度で、まあ値段分の内容はあるか、ということで値上がりぶんは了承。
で、そういった連載の中で最近面白いのが日本のポップカルチャー―特にその女性ファッションが世界で独特の訴求力を持ち始めているのがありありとわかる「ユー・ルック・ソーカワイイ!」という連載。
この連載を読んでいると、いかに日本がこういったファッションやデザインにおいて社会の許容度が高く、またその中で追求されている「カワイイ」的なものが全世界的に影響力を持ちうるか―その点が非常によくわかる。
乙女心は世界共通か!?(笑)
で、そういった視点は「これから先」ということを考える上で実は非常に重要な視点で、最近ニュースにもなった某ネット企業のように社内公用語を英語にする、というふうに情報の流通手段やルールとしての英語は、いやでも全世界を覆いつつあるが、実は大切なのはそういった(英語やITのような)共通フォーマットを使って
なにを発信するのか?
という点なわけで。実は意外とそこが抜け落ちとるっちゅーか。
それに関して週アスの総合編集長である福岡氏が出したひとつの回答が、そういった「ジャパニーズ・ポップ・カルチャー」のみが持つ独特の魅力ということなのだろう。
その具体的な提案がこのiPhoneアプリだと思う。
Tokyo Kawaii Magazine
(iTunesストアでのリンクはこちら 注:有料+英文)
半年ほど前からに出ていたようで既にけっこう号数を数えているようだが、全文すべて英語で、エヴァンゲリオンのキャラクターなどを使いつつもTokyo発のポップカルチャーやファッションを取り上げた電子書籍になってる。
初回のみ若干割引になってたので購入してみたが、これはありだわ、非常に品よくまとまっている。
加えて英文で紹介されているということも大きいと思うんだが、秋葉原(いやakihabaraか)の点景写真が、一種独特の異国情緒を伴って見えてくるのには驚いた。
(外国の人からはこう見えてんのかなという)
常々思うんだが、ITにしろ英語にしろ―その正体は共通言語・標準化そのものであって、これは国境や時間は言うに及ばず、プロとアマチュアの世界すらもそれに沿って融解されていく。
そしてそのとき、そこにおいて一番重要なのは、その共通化・標準化を受け入れるということそのものではなくて(それは実は前提に過ぎない―できて当たり前―だから重要ではあるんだが)
それをつかってなにを語るのか?
もっというと
あなたはナニモノ?
その問いに答える答えるということでもある。
実は皆さんけっこうその「前提」の部分に関しては問題意識持って必死にやっているんだけれど、いま言ったような「その先」にある問いに関してはもの凄く無防備なような気がする。
そして実はそのことに重いが至ると、必然的に戻っていかざるを得ないんだよね
自分の国籍とか自分の国の歴史に―。
これは実は海外である種一番嫌われるのが無宗教な人間であるということに通づるかもしれない。
人は無個性の海に放り出されて始めて自身の生来の個性を悟る―そういうことなんだろうと思う。
そういう意味でこういう平和なモンが(平和ボケといわれようと)戦後日本がナニモノであるかという一部を語るものであるということは、意外と幸せなことなのかもしれないとも思う。
そしてそういったところをいち早く見抜いてる福岡編集チョ、さすがです。