久々に勝間和代氏を一冊読んだ。
もともと社会的な評価をされる一報で、最近はやれ書籍バブルだなんだといって叩かれることの多い勝間氏だが、個人的にはこの方のスタンスは嫌いではなくて、要はこの方の著作から「自分にとって貰えるものがあれば貰えばいい」そう思ってます。
たぶん叩かれやすいのは露出が増えているのに対しての理由のない嫉妬と、そのポジティブさ加減がうっとおしがられる部分、加えてテーマ次第では脇が甘くみえるようなところなどいろいろ複合的な要因はあると思う。
ただ人間、完璧などはありえないし、この方の「自分のした苦労やそこから知り得た教訓をできるだけ共有しよう」というスタンスは単純に素晴らしいことだと思うんだけど。
(それが自分と違う、役に立たない!上から目線が気に入らない!とかいうのはその人その人個別の話で)
加えて一部の支持層が外野から見ると鵜呑み・丸呑みにしているように見えるのが反感を買うのかな。
本書もamazonの書評では散々なようだが、個人的には共感できるところが多々あってポジティブに読めた。
特に幸せの基準は他人との比較ではなく対過去の自分比で、といった点や他責の人は幸福になりづらいという部分の説明は共感する。
要は「幸せのものさしを外(他人の中)ではなく自分の中にもっていますか」ということだと思うのだが。
「愚痴を言う」ということの非建設性というところの根本もそこにある。
愚痴だけを言ってても、愚痴の原因となる他人の言動は何も変わらないからだ。
そこに自分の時間とかエネルギーというリソースを割くのか?それに意味(リターン)はあるのかということだよな。
(まあ自分も時々愚痴は言っちゃうときはあるけど―加減によるよね)
ほんで本書であらためてこの方の特徴、というか持ち味というのは、従来からあったこういうテーマに対して「仕組み化」(フレームワーク?)の概念を入れているところだろうか。
(もちろんこれまでのこの手の本にもそういうものは多々あったと思うが、この人のはもっとドライな気がする)
考えて、結論ができたらそれを努力とか根性でなんとかするんじゃなくて仕組み化して突破してしまえ、と。
これは精神論振りかざしやすいひとたち(自分も若干その傾向あり)にとっては場合によってはしっくり来ないかもしれんが、目標が明確に決まってて、そこまでのプロセスを短縮したいという場合には確かに有効だと思う。
その事例としてご本人が「その場での人の感情の機微が自分は読むのがヘタだ」と堂々と(笑)書いてらっしゃったのが面白かった。そしてそれを仕組み化でフォローしているという部分も。
(このあたりまるでファイブスター物語のアマテラスみたいw)
まあそういう「欠落」している部分があるからある意味ここまで堂々とメディアに露出されてもいるんだろう。
賛否両論あるとは思うが、自分としては提示された部分から学ぶべき部分は学ぶ―それでいいかと思う。
学ぶべき部分がなかったから、誤ってる部分があるからといって非難にエネルギー費やす人らの気持ちは正直わからんw自分にとって「取るに足らない」と思ったら素直にスルーしておけばいいのに。
まああれか、愛と憎しみは同じものでできていると西原りえぞお大先生もおっしゃってるので、そういうことなんだろうな。
読むとこ読んで「おおなるほど」と思った部分だけ自分は参考にさせてもらいます、ハイ。
そういう意味で値段分の価値はありました。