影牢 もう1人のプリンセス (PS4)/コーエーテクモゲームス

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去年の夏ごろのPS Storeのセールで格安になっていたのでダウンロード版を。
で、ちまちまとプレイして追加シナリオの最終面以外は一応クリアしてるのでレビューだけしておく。

影牢 もう1人のプリンセス - PS4
コーエーテクモゲームス (2015-03-26)
売り上げランキング: 3,952

もともとこのシリーズは以前働いていた現場のマネージャーさんが何を思ったか貸してくださったのをきっかけに知った。貸しては頂いたもののこのシリーズ独特の「罠やトラップにはめて拷問チックに敵を倒す」という内容に、おいおいマネージャさん大丈夫かいな!?と思ったんだがいざやってみるとけっこうハマる(苦笑)。

そう、よく考えてみるとこのシリーズ一種のアクションパズルゲームなんですな。また出てくるトラップの描写やいい意味で雑な3DCGのキャラのせいで、あまりシリアスにならなくていいというのも大きいかもしれない。たとえるならドリフの金たらいの仕掛けを大掛かりにしたゲームといってよい。もちろんトラップ類の中には明らかに拷問器具そのもののデザインがあったりしてえぐいのはえぐかったりするんだが、ゲーム中だとその罠にはめるまでに散々ちょろちょろ動き回られてこっちも痛めつけられつつ罠に誘導するので、見事罠にはめたときはしてやったり感があるのも事実(苦笑)。人間とは度し難いものですなあ・・・。

とはいえ、実はトラップにもいくつか系統があって華麗、残虐、屈辱の3系統に大きく分かれている。華麗だったらふっとばし系のハンマーだったり、残虐だと回転ノコギリ、屈辱系だとなぜか水洗トイレ(笑)とか。で、慣れてくるとやはり自分の使いやすさとか好みがわかってきて、定番の罠というのも決まってくる。自分はけっこうスプリングフロアやスイングハンマーなどふっ飛ばす系が好きだった模様-逆にいいカッコしていうのではないが残虐系はあまり好みではなかった(使いやすさの面も大きかったと思う)。

まあそしてゲームとしての本質はリアルタイム系のアクションパズルなので、やはり仕込んだトラップが順次きれいに決まってくれると非常に壮快―特に挙動のウザい系のおっさんキャラにピタッとハマると達成感ありましたな(笑)。

で、実はこのゲーム一応取り上げておこうと思ったのは、意外とそのストーリーラインが面白かったから―ほとんどあってないようなもんなんですけど、一応あるんですよ、シナリオ的なものが。
特に個人的にしっくり来たのはこのPS4版の追加バージョンである「もう一人のプリンセス」のほうのシナリオ。(このPS4版はもともと『ダークサイドプリンセス』が出た後にこの『もう一人のプリンセス』を足したものが追加ででたらしい)

パッケージの表紙にもなっている悪夢の姫・ヴェルギリエちゃんなんですが、実はその正体は・・・というのがいちおう最後までクエストクリアするとわかる感じ。このなかなか屈折したオタク丸出し中二病な感じのシナリオはよかった。一つにはあまりセリフがボイスで収録されてなかったのでプレイヤー側の想像の余地が大きく残されていたというのもデカいのかもしれない。(個人的には昨今のボイス全部聞かないと次進めない系のインターフェイスはイライラするので減点大―吹替えあるゲームは英語音声で聞いてること多いからかもしれない)

ただ一つ難点があるとすると、クエストをクリアする順番というのは系統樹的な進行になっていて、分岐点をクリアしてしまえばけっこうユーザー側にゆだねられている。そのため一応クエスト番号的なものは振られてはいるが、上述のようなバックストーリーを主眼に楽しむにはややその系統樹を前後してしまうきらいがあるのは少しもったいなかったかな。

ただ1クエスト1クエストちまちま進められるし、タイムリミットが決められているのであまり1回のプレイ時間も長丁場にならない(区切りよくやめられる)ので、昨今のスマホゲーム全盛のゲーム事情には意外とあったスタイルだったのではないか―そういう意味でけっこう隠れた良作のような気がしている。

また各クエストはクリア条件のほかにクリアランク的なものがあって、トラップコンボやステージギミック、そしてそれらの連携などをうまく使うことでランクが上がるというやりこみ要素もある。自分は「とりあえず体験派」のぬるゲーマーなのでほとんどクリアできればいいや~式でCランクばっかりだったが、それでもステージとギミックが自分に合ってるとBやAランクもときどき出せた。本ゲームにはこのメインシナリオを追うモードのほかにも自作ステージ的なもので遊べるモードもあるし、好きな人は案外長く遊べるようになっている感じだ。

そして聞いた話によると、意外とこういう「罠で敵を倒す」がメインになっているゲームというのはほとんどないらしい。確かにメジャーなパブリッシャーからは皆無だろうな、というのは何となく想像がつく。そういう意味ではある意味唯一無二の路線をいってるワケで、なにげに長々と(細々とはいえ)シリーズが続いているわけではないんだな、と。ある意味ニッチ路線のいい成功例といっていいのかも。

フルプライスではどうかと思うが、セールや安く買えるチャンスがあるのなら、未体験の方はやってみるといいと思う。ただし変な性癖に目覚められましても当方は責任持ちかねますのでそのつもりで(笑)。

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