予告公開の時点から気になったので観に行ってきた@新宿バルト9
電子工学に天才的なセンスを持つ少年ヒロはストリートでの違法ロボットバトルで負け知らず。そんな天狗になっている彼を心配して兄のタダシは彼の大学のキャンパスをそれとなく彼に見せる。”ナードの巣”とでもいうその環境に見せられた彼は一気にその気になり推薦入学を受けるために大学主催の技術コンテストに参加する。しかし彼の発明したマイクロロボットをみた何者かが会場を爆破―恩師を助けようと火の中に戻った兄は爆発に巻き込まれ・・・。兄の死に打ちのめされていた彼の前に兄の残した真っ白な介護ロボットが現れる「私の名はベイマックスあなたの心と体を守ります」
ひさびさに童心にかえって楽しめるタイプのいい映画だった。
もともと原作が日本を舞台にしたヒーローもののアメコミ。それを制作陣が大幅にリニューアルし、日本テイストの強く残るディズニー作品として仕上がった。結果双方のいい部分がうまくミックスされたとても明るく楽しい、そして泣ける一本となっている。
もともとがアメコミ(マーベルコミックス)の作品ということもあって、ある意味戦隊モノ的な?作品という側面もあったが(原題が『BIG HERO 6』)ここを日本公開にあたってはいい意味での”予告編詐欺”(笑)で切り抜け、初動の数字もかなり好調のようだ。
予告編詐欺というのは、介護ロボットと兄を亡くした少年のハートフルストーリー的なトレーラーのエディットに対して、本編はもっと明るく楽しい、家族づれで観に行けば家族全員で盛り上がれること間違いなしのいい意味での”マンガ映画”的な作品。しかしそれだと日本国内での動員が危ぶまれるため、上記の用になったようだ。
ただ基本的にはその”泣ける”要素の部分が皆無ということではなく、クライマックスシーンなどは某四十過ぎのおっさん(当社比)がボロ泣きしたといういいシーンだった。
なんにせよ、この優しくもコミカルなベイマックスのビジュアルが出来上がった時点で、かなりのパーセンテージ成功は約束されていたのではないか。
そしてベイマックス以外も、全てにおいて本作はその造形が素晴らしい。
主人公ヒロのあの年齢独特の小生意気だけど純粋そうな表情や、兄のタダシのいいお兄さんっぷり。そして二人のまわりの仲間たちの造形もそれぞれはっきりと個性が出ていて、素晴らしい。
さらに圧巻なのは実際のサンフランシスコの精密な地図をベースに東京や別府のディティールを意識して詰め込まれた”サンフランソーキョー”の街の造形もだ。
いい意味でのアメリカと日本の街の魅力がミックスされた景色で、こんな街があるのなら思わず住んでみたくなる、そんな心躍る景色。
そして本作はそういった日本の景色を取りこんでいるところからもわかるように、日本のアニメ的なディティールも満載だ。
これは見てもらえればわかるので詳しくは言及しないが、ベイマックスの最期や、歌舞伎仮面の男や冒頭のヒロのロボットのモードチェンジなど、最近見たキルラキル(鮮血のそれ)やガンダムUC(フロンタルのマスク型サイコミュやデストロイモード)等、偶然のシンクロをみてとれてこのあたりも面白かった。
なにか深いものや感動を求めて映画館に足を運ぶなら肩透かしを食らうかもしれないが、気分転換や明るい気分になりたいようなときには絶好の映画だと思う。
個人的にはあの数々の造形を見直すためにもう一度ぐらい観に行きたい気分。
なかなか良い一本でした!
※付記
同時上映、というか併映として冒頭に「愛犬とごちそう」という短編映画がかかるんだが、これもアニメーションとしては素晴らしい。話も感動系で悪くない。
ただ・・・・・どう考えてもこの食生活続けさせてるとこの犬早死にするぞ!?とずーっと思いながらみてたのは秘密だw
そらアメリカには次元の違うデブが満ち溢れてるはずだよ・・・。
おまえらええかげんにせんと高脂血症で死ぬぞ・・・マジで・・・?