正月ボケかなかなか頭が動かないので、なら割り切って読書でもするか、ということで。
シリーズ全4冊を2日ほどで。
新装版 春秋の檻 獄医立花登手控え(一) (講談社文庫)
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藤沢 周平
講談社
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医の道を志し、叔父を頼って江戸に出てきた登だったが、肝心の叔父は酒びたり、叔母はこき使い、いとこのおちえは女友達とともに遊びまくっている始末。叔父の代診や叔母からの雑用にこき使われ、やわらの道場に通うのにも一苦労。さらには伝馬町の牢屋敷の獄医も叔父の代わりに務めることになった登だが・・・。
かの名作『用心棒日月抄』をほうふつとさせる、非常に明るい感じのシリーズ。『用心棒』と異なり、主人公が仇持ちなどではない分、さらに重苦しい感じもない。
ただ「獄医」とあるように牢医者である、というところから話が展開するシリーズなので、そういった市井ものならではの影、というのはあるが、基本的にすごく楽しく読めるシリーズだった。
主人公の登の柔術が強すぎる気がしないでもないが、そこはエンターテイメント。
命を救うはずの医者が、さすがに刀でばっさばっさというわけにはいかないだろう。
シリーズとしては、登が大坂まで叔父の旧知を頼って医学の修行に出るまでで完結しているが、著者が存命であれば、ひょっとすると用心棒シリーズのように続編があったかもしれないなあ、と思うと少し残念。
ただ、終章にあるようにおちえやおあき、新谷などの登場人物たちを含め、主人公・登にとってのある種の青春時代の物語だった、といえるので、ここで終わっているのはすごくまっとうな終わり方だろうと思う。
かなり前にだがNHKでもドラマ化されていたようだ。(若かりし頃の中井貴一が主役ということでどれだけ前かご想像いただけると思うがw-ちなみに読んでいてあまり中井貴一的なイメージは湧かなかった)
チャンスがあればみてみたいな。