ふたたび伊勢に参る

標準

前日名古屋でコンサートみて一泊したのはいいが、翌日のことは全くのノープラン。
熱田神宮とか名古屋城見るかー、とも思ったがどーもしっくりこない。

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で、気がついたら8:37発、快速みえに乗ってました(苦笑)。



夏にやはり18きっぷでお伊勢さんに行ったときは、初めてということもあって、月讀宮にお参りできなかったり、おかげ横丁でメシ喰い損ねたりしたのでもう一度行きたいな、とは思っていた。

しかし場所が場所だけに、いろんなタイミングが合わないといけないだろうなー、と思ってたんだが今回のようにぽこっとタイミングが出来て。
(熱田さんが「今回来んなw」となったのは、案外こういう機会を設けてくれたということなのかも)

で、今回は勝手もわかってるし、快速みえで8時半過ぎ出発でOKという比較的余裕のある感じ。到着も10時過ぎとちょうどいい。ご遷宮を終えているはずなので、ご新居にごあいさつしておくべきだよな、ということもあった。

なので当然外宮から順番に回る。
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ちゃんとご新居になっておりました!

そして前回感じた雰囲気―なぜか外宮だと普通の神社とは違い「締まる」感じではなく「緩む」感じがする、というのは変わりなかった。やっぱり季節のせいとかそういうものじゃないんだな。

そして同じく祭られている土宮や風宮は、まだ完全に日程が終わっていないのか、前のままでしたな。
(荒御霊のほうはちゃんとご新居だった)

加えて今回は、時間的・精神的余裕があったので「せんぐう館」も見学した。(入場料300円ほど)

ここは見ておいてよかった。なにがよかったかというと、ひとつは上映されているショートフィルムが非常に分かりやすい、というか「ああ、自分も日本人なんだなあ」と感じられるというか。

さらにいろいろ遷宮にともなう工事に使われる大工道具や、装飾品の製造工程が展示されていたんだが、これほどこの伊勢神宮のもうひとつの大事な意味、というのがわかる展示は無かった。

それはなにかというと、これって一種の技術のタイムカプセル・・・というか保管庫なんだね。

つまり最低限、ここに残されている技術を守り伝えていくことで、農業や冶金といった、人間の生活に必要なものを作り出せる技術を維持・伝承していくことができる。

もちろん、時代の流れの中で、廃れたり無くなったり変わったりしたものもあると思うんだが、少なくともここは「人の手でなんとかできる」範囲の、再現性を持った技術を守り伝えている。
だからもし、日本がなんらかの形で荒廃したり、滅びかけても、お伊勢さんが生き残っている限り、日本という国は復活できるということではないか。

もちろんこれは字義どおりの意味でなく、ある種の思想的・抽象的な一つの思考実験に過ぎないが、本質的にはそういう意味を含んでいると思う。

そういう本質的なところを見抜いてこういう伝統を残したのかどうか、いまとなってはもちろんわからないが、その結果だけをみても、我々のご先祖様というのはなかなか素晴らしい見識を持っていたんじゃないだろうか。そう思わざるを得ない。

遷宮館をでるとお昼前だが、例によって外宮前にはあまり選択肢がない+おかげ横町リベンジの目的もあったので、さっさとバスに乗って移動。

しかし前回のミスは内宮のあとに月讀宮に廻ろうとしたことだったので、今回は月讀宮⇒内宮と回ることにする。
(ルートとしては別に間違っていなかったんだが)

月讀宮にはバス停の「中村町」で下車(280円)とあったが、降りて少し戻らなければならない。あとで考えてみると、五十鈴川駅からでも・・・歩けなくはない・・・のかな?やっぱりちと遠いか。
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で、境内に入ると姿は見えませんが鳥の鳴き声ばんばんしてますよー!?。おまけにうるさい観光客もいない―もうこの時点で自分的にはにやにやしっぱなし(笑)。
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(あえてこの御宮ではあまり写真撮らず)

しかし境内は、折れ曲がった道の続くなんとなく不思議な感じ―一種独特の雰囲気が漂っていた。
手水舎で手を清めていざ御宮へ。

なんかここ、すごくアットホームな御宮だ(笑:失礼)

なぜかというと月讀さま(和御霊、荒御霊)、伊弉諾尊、 伊耶那岐命それぞれのお社が並んで建っていて、なんとなくご両親の面倒を二世帯住宅でみている孝行息子さんみたいな感じがするのですよ。
(ある意味親の面倒を同居してみていない自分には耳の痛い話ではある・・・)

なんかお姉さんが大変な仕事してるので「姉ちゃん、お父さんとお母さんの面倒はおれがちゃんと見るから」みたいな。

こんな想像をするのも、境内の雰囲気とお社の質素さ・清潔さ、そこから来る独特の雰囲気があるからかも。
それだけに、なんとなくまた思い入れしてしまうのですな。

で、お参りを終えて、再びバスに乗り内宮へ。

ここで前回も感じたんだが、実はこのバス路線、内宮までいかずにそのひとつ手前の神宮会館前で降りたほうがいいのかもしれない。

なぜかというと、神宮会館前あたりというのはおかげ横丁の端ぐらいにあたるので、実は十分歩ける距離なんだが、神宮会館⇒内宮とこのひと駅を行くだけで運賃が150円近く跳ね上がるのな。
これはニーズがあるとはいえ、ちょっとアコギな商売のような気がするなあ。そのあたりどうなんでしょう?三重交通さん。

とはいえ今回も最後の内宮まで乗ってバスを降りる。例の古さびた鳥居をくぐり、五十鈴川を渡り、内宮の境内へ。
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今回はこれまた前回やりそこねた五十鈴川で手を清める、というのもやりました―五十鈴川きれいすぎだろ!?
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で、そこだけ水が温かいのか、ひとが悪さしないのわかってるのか、まるで梅雨前の田んぼのカエルの卵のように膨大な数の小魚が群れてる!さすが神域!
いやー、もうなんかこういうのみるとにやにやしっぱなしですわ。

しかしさすがにキャッキャウフフと小魚とたわむれるわけにもいかず、手を清めて境内を奥へ。

内宮もちゃんとご新居に変わっておられたのを確認致しました!
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今回は前回うっかり写真撮影NGのところ(境内内側)でパシャリとやってしまったので先にお外から何枚か撮らせて頂いてから、iPhoneしまってご参拝。
(今回は正装していかなかったので、お外からお参り)

しかしすごいなあ、と思うのはやはりこう作りが新しくなっても、受ける雰囲気がぜんぜん軽々しくなく、むしろ若やいだ感じがして、適切な例えじゃないかもしれないけれど、手塚治虫の『火の鳥』の火の中から若鳥が生まれる脱皮シーンみたいな印象。

とりあえず個人のことではなく、世の中がきれいに晴れ渡りますように的な感じでお参りさせて頂きました。

つづけて荒御霊のほうにも回る。
なぜかこちらは毎回自分のチョンボをお詫びしている感じで、今回も作法なって無かったところあったかもしれませんが、勘弁しておいてくださいとお詫びしておく(苦笑)。
以上で、いちおうお参り終了。内宮はいつも変な汗出るわ(笑)。

するとそんな気分を見透かしてか、社務所のあたりまで戻ってくると唐突にニワトリいたーっw
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何回か書いているけど、境内で動物類にあったら一応歓迎はしてもらってると勝手に解釈してるので(笑)、お許し出た感じ?

いやーよかった、よかった。

そんなこんなでほっとしたので、残る大山祇神社、子安神社もちゃんとお参りして、境内を出る。

すると当然、右手にはおかげ横丁!腹もいい具合に減っている!
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(おかげ横丁の入り口にはお猫様いたーっ!?)


・・・・・で、いろいろとうろうろしてみたんですが、どーも意外としっくりするところがない。

自分はもともとあまり食い意地張ってない方だったんだけれども、ぬるい乗り鉄やるようになってから「食事は1回1回が勝負!」的な感覚は分かるようにはなってきてて(苦笑)。

これなぜかって、地方の駅って都市圏とちがって、ユニバーサルデザインの飲食店の数が圧倒的に少ないわけですよ、必然的に。
すると、どうしてもその土地その土地のお店で食事をとらざるを得んわけで、そうすると当然「一定以上の水準」がいつも保証されるわけでもない。

なので結果的に「食べれればいいや(味が保証されてる)」⇒「いや、どうせ食べるならおいしいものを(それぐらいの気分で丁度)」的に考え方が変わっていくのかもね。
で、結果的に1回1回の食事は「あたり」を引けるかの勝負の場になってくると(笑)。

で、今回は、とにかく牛を食いたいと決めていたんだけど、それらしい店が意外とないなー、さすがに松坂牛は高すぎて食えんなー、と2往復ぐらいしたので、適当なところ見つけてお昼。
和牛のステーキの定食があったのでそれをいただく。2600円したけどまあ値段相応の味がしたので満足。これで念願のおかげ横丁リベンジも果たせた(笑)。

あとは電車に乗って帰るだけじゃー!?ということでバス待ち。ちなみに今回初めて駅でバスチケットが買える、ということに気づいた。
ここのバスは周遊券的なきっぷが普及しているせいか、両替の便があまり良くない。(500円入れても100円玉5枚で帰ってくる⇒端数の10円玉の手持ちない時は再度両替がいる)
なので、目的地がはっきりしているときは、先に駅で切符を買っておくのもありなんだろうな、近場に一泊なら周遊きっぷ的なものもありかと思う。

残念ながら14時台の快速みえには流石に間に合わなかったので、15:26の電車を30分ほど待つ。
この日前後は気温10℃切ってたみたいで、風が吹いてくると異様に寒い。おまけに伊勢市駅、お日様の神様の駅にあるまじき日当たりの悪さ(苦笑)。けど当然指定取ってないので、並んでおかないと1時間半強たちっぱなしになるので「うひー!?」といいながら電車を待つ。おかげでちゃんと名古屋まで座って帰れました。

名古屋にたどりつくともう真っ暗。お伊勢さんコースに日程変更した時点で新幹線で帰ることは必然だったので、地下街のチケット屋でエコノミー切符買って新幹線ホームへ。
ほんとうは少し時間をずらして晩御飯になにか土地のもの食べて帰ってもいいかな、と思ったんだけど腹が減るには微妙な時間。よってさっさと帰ることにしました。買った駅弁に小さな天むす入っていてなんか得した気分。

ということで、なんとなくいい気分で、今回の日程はすべて終了でございました。
いや、いろいろおもしろかった。

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