いわゆる「ラノベ原作」で「異世界ハーレム」もの?というどう考えても普段なら見るハズもない作品なんだが、ギャグ作品+国内外での評判がすごくいいということで見てみたらこれが評判通りに面白いこと面白いことw
一部のギャグでは文字通りお腹かかえて笑わしてもらったし、おっさん的にもどこか懐かしい感じもする傑作だった。(AmazonPrimeにて視聴)
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いわゆる昨今ではその条件がそろってたら思いっきり陳腐ということで叩かれまくる「異世界転生+元の世界の知識で無双+ハーレム」ものという数え役満みたいな設定の作品なんだが、この作品はそこを逆手にとってギャグにしているのが受けたようだ。
クズヒキニートの主人公カズマさんがゲームの初回限定盤を買うために外出したばかりにトラクター(笑)に跳ねられ死亡→転生先として異世界に飛ばされるが、その時の案内役であった水の女神・アクアを無理やり一緒に連れてきたところから物語は始まるわけだが、このアクアをはじめ出てくるキャラクターが全員いろいろダメなヤツということで、結果クズヒキニートのカズマさんが一番まともに見えるという。
作品の雰囲気は以下の2期OPがなんとなくよく表していると思う。(いつまで見れるかわからないが一応張っておく)
そしてこの作品の特徴のひとつはこのOPムービーでもわかるように作画の酷さを意図的に演出として組み込んでいるところだろうか。奇しくも同時期の放映だった『けものフレンズ』も作画に関して決してハイクオリティではなかったにもかかわらずあれだけの話題になっていることを考えると、作画の良しあしというのは必ずしも良作の十分条件ではないということをこの2作品が同じタイミングで証明したのは面白かった。
ただ本作は自分程度でも名前を憶えている老舗の制作会社・スタジオディーンが制作らしく、ここぞというところでは一気に作画のクオリティを上げるというメリハリをつけているのもすごくいい割り切り方だと思う。できないわけではなく敢えてやらない―それをはっきり見せつけているというかな。
で、この作品、前述のようにある種いま風の要素てんこ盛りの作品にもかかわらず、おっさんの自分にとってどこか懐かしい感じのする作品だった。なぜかと考えてみるに、コレ、なんとなく80年代やってた『うる星やつら』と雰囲気とか要素がどことなく似てるんだな。よく考えりゃ『うる星』もディーン制作だわw
フツーの主人公と、それを囲む異能・異形の美女たちというのはまさにうる星のそれ。
ただし、ここで面白いのがそれぞれの主役のスタンスはけっこう正反対というか。『うる星』の諸星あたるが女の子であれば手あたり次第、というのに対し本作のカズマさんは意外と常識的というか、彼のパーティに所属する3人の女の子たちを「こいつら見てくれはいいんだがなー(中身はダメなヤツ)」と手を出さずけっこうストイックなところ。
(かといって聖人君子なわけで全くはなく、1期の最後のほうではムフフなお店をネタに1話使っている―しかしこの回も絶妙なさじ加減で単なるエロ回になってなかったのがすごく上手かった)
またカズマ氏を囲む3人の女の子たちもそれぞれすごくキャラクターが立っている―というかその設定聞いただけで笑えるwこのあたり思いついただけでもうある意味勝利は確定していたかも。そしてそういったキャラクターたちに命を吹き込む声優さんたちがこれまたそれぞれうまい。これはそれぞれがキャラが立っているからということもあると思うが、このカズマ氏と3人娘の会話のやりとりが聞いててほんと面白い。
で、けっこう人気だった本作品だが、現時点では原作のストックはまだまだあるようだが、続編の制作発表などはアナウンスされていないようだ。これだけ面白いとかなり期待できると思うが、個人的にも続編があるのならぜひ見てみたいと思う。
あと本作品で何気にもう一つ特筆しておくべきはEDソングの良さである。
1期・2期ともに非常にフォーキーな感じでほっとできる良曲。こういうシリーズものを見るときは自分はOP/EDはよほどの良曲でないとすっ飛ばしてみるのだが、このEDに関しては毎回必ず見てた・・・というか聞いてホンワカしてた。何気にこのあたりのバランスの良さも本作品の評価の高さにつながっているんじゃないかな。
お仕事などで気分がささくれ立っていて、ちょっと気分転換したい、という方は騙されたと思って一度ご覧になってみることをお勧めする。バカバカしい話といえばそれまでではあるんだが、何気にいい気分転換にはなると思う。時間と機会があればぜひどうぞ。
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