こんなときだからこそ中国古典に学ぶ

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昨今、お隣中国との関係がかまびすしいですがそんなときこそ彼の国の古典を。
誰かがうまいこと言ってましたが「中国文化が日本の親なら中共は親の仇」と(笑)。

事実中国文化から日本はたくさんのものをもらってますし、彼の国の方々そのものには恨みもへったくれもないわけで。
(むしろちゃんとした教育を受けれていない人たち相手にヒートアップするのは恥ですよ)

ということでお勉強の息抜きにぽちぽちと。

中国皇帝列伝 (創業篇) (徳間文庫)


中国皇帝列伝 (守成篇) (徳間文庫)



しかしいまこのタイミングで読むとけっこう昔読んだころの純真な視点と違って正直複雑な面もw
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サンカ―”道々の者”の虚実

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先日神保町のキントト文庫で「ぐわ~!?」と悶絶してたのはこの手の本がけっこうあったから。
しかしぼちぼちなお値段だったのでそのときは手を出さず。

後日ヤフオクで格安に出てたのでぽちっとな。本日届きました。

マージナル vol.1―漂泊・闇・周辺をめぐる



”とてつもない距離を風のように一晩で走り、獣のように山で生き抜くあらゆることに熟達した幻の山人=サンカ”

隆慶一郎氏の小説でいうところの”道々の者”としてその存在を知り、その原型がどうもこの三角寛の”サンカ”小説に行き着くらしい、というところが分かったのがその数年後。

で、その肝心の”サンカ”小説を読む機会はなかなかなくて、それよりも先に幻の漂泊民・サンカ という”実際の”サンカについての力作を読んじゃって、ますます気にはなるもののいまだお目にかからず。

まるで本当に”道々の者”みたいに幻のようだ(苦笑)。
(というかお高いんですもの、ヤフオクでもw)

で、うすうすその”サンカ”小説というものがこのほぼこの三角寛ひとりに始まり三角寛ひとりに終わる、ということからこの三角寛、という人物が与えた影響―というかこの人物そのものがある意味”サンカ”小説そのものらしい、ということも、およそは見えていた、その傾向―というか性格も。

その三角寛の名が巻頭に出てりゃそりゃ気にもなりますわな。
なのでぽちっとなした次第。
(ワンコインでしたので)


まだ巻頭の三角寛の婿・娘ご両名のインタビュー部しか読んでないんだが、なんとなく見えてくるところはあり。

そう、幻の漂泊民・サンカ のほうが”実”のサンカ像だとすると、世間にはこちらのほうが広く流布しているだろうこの三角氏のサンカ像のほうが実は”虚”。

それが悪いというわけじゃない―むしろだから面白い、というか。

この本は他にも中上健次や五木寛之とかの名前が入った記事がどっさりなので、けっこういい買い物だったかもしれない。

こういう民俗学的なジャンルというのはそういった妄想の入り混じったロマンが実際の研究などの大きな原動力になり得るのは疑いのないところ。それ自体は悪いことじゃない。

ただその出口・・・というか出し方にはデリケートさ、というかまっとうさというのはまちがいなく必要不可欠であろう。

そのうえで。

こうなるとますます三角版のサンカ小説が読んでみたくなる。
たぶん読めばなんてことないと思うんだろうけれども。

まあしかし前述のようにそう簡単に読める機会もなさそう。


なのでその収まりどころのない気持ちを、隆氏の小説でも読んでしばしなぐさめますか・・・。


・個人的にはコレなんかおすすめ。ちょっとジュブナイル的な色もあっていい。

・一冊でまとまってるという意味ではサンカ色は薄いがこれなんかも大好きだなあ。

・あと未完+タイトルから想像するのと違ってめっちゃストイックなコレとかも。



それでも日本人は「戦争」を選んだ

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途中までは、途中まではものすごくよかった。
それだけに後半がな~!?


それでも、日本人は「戦争」を選んだ


日清戦争から第二次世界大戦まで日本の戦争を考察した一冊。

授業形式をとり、実際に神奈川の栄光学園の生徒さんたちを相手に行った五日間の授業を元にしている模様。
いいな、こういう授業をうけられる生徒は心底うらやましい。

著者がきちっと歴史研究の最前線にいらっしゃる方で、そこを活かした、通常のとおりいっぺんな歴史解釈ではなく、専門的な普通はあまり目にすることのない史料を駆使して、これまでと違う視点から歴史に光を当てていく一冊。

この点すごく面白いし、本来歴史教育というものはこうあるべきだろう。
授業形式ということで生徒の質疑応答も交えているが、これも素晴らしい。
(ただこの生徒さんがたのレベル高杉www)

で、第一次大戦のあたりの解説まではすごくよかった。

―んだが、日中戦争、第二次世界大戦のあたりになるとちょっと文章の性質が変わってくる。


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