一時期ほどは熱心にみてなかったが、その間にも良作はコンスタントに上がっていた模様。
初音ミク
あれがエポックだったねといわれる日も来るかもしれない。
標準初音ミクLAコンサート『MIKUNOPOLIS in LOS ANGELES』をニコ生で生中継
国内では既に何度か行われていた形式のライブだが、英語圏、それもグラミーのノミネートなどにも使われるNOKIAシアターでの公演、とのことなので、はじめて身銭切ってネットの中継を見てみることにした。
入場料はそのむかーし、家電エコポイントで申請していたEdyの端数があったので、携帯アプリから支払いメール呼び出して、Felicaくっつけて支払うっちゅう、なんかカオスな感じだった、これもひとつの近未来か(笑)。
で、見た結果、1500円分の価値は十分にあった、そういう感想。
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あれがエポックだったねと―参考資料
標準興味のある人はどうぞ。
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ミクさんすげえな・・・。
標準北米トヨタのカローラのCMに起用ですと。
(twitterのTLによると、日本で言う「痛車」的なものを狙ったのではなく、若い女性の足としてターゲットされている車だからそこを狙ったのでは、という話も)
たしかに以前にも書いたと思うが、海外でのVOCALOID関連の支持層は若い女性が多いとの調査結果もあったのであながち間違っていないかも。
そして、こういうモンて確かに”大人の常識”から考えると、かなり”痛い”のはそのとおりではあるんだがこれって「日本だけにしかできない」ことの最たるものでもあるんだよな。
(”痛い”だけに、ちゃんとした”大人”の文化を持つ欧米では真似できない)
それがいいのか悪いのかはわからんけども、それが強みであり、ある程度の普遍的なニーズがある、というのは間違いない。
一時と違って、ジャパニメーションとよばれる日本製アニメーションやマンガ文化が、欧米マーケットでは苦戦しているという話も聞こえてきているが、こういう記事を読むと、そういうジャパニメーション的なフォーマットが”スタンダード”として受け入れられて、ローカライズが始まっているということでもあると思う。
そのうえで、やはり日本製のこういったジャンルのすごさというか、裾野の広さ、底力というのはTL上で最近話題になっていた某作品のあらすじとか調べてみて改めて感じた。
twitterやってるいいおっさん、おばはんが話題にするにはそれなりの理由があるんだな、と。
個人的にはアニメアニメした絵が嫌いで―というか絵描きの端くれとしては、そういうところから遠くへいきたいと思っていたので―そういった属性を持つものは、よほどのものでないと意識的に避けてきたんだけれども、そういう意味ではすこしアンテナを張りなおさないといけないのかもしれない。
現実の”リアル”な生活の重さと、こういったカルチャー、バーチャルな”情報世界”の奔流。
これらは相反するように見えて、相互に作用している。
現実の重みが第一にくるのは事実だし、その現実を生きていく力を、こういったものが阻害する傾向が強いのも日本の世の中の特徴だ。
しかし、これらバーチャルな”情報世界”のなかで語られるのが、なにがしらかの”物語”であり”ココロ”であるのなら
それは抽象化し、結晶化されているだけに、この世の中の”本質”の一部をより純粋に含んでいるのかもしれない。
なら、それは間違いなくひとつの”豊かさ”だ。
(そして”豊かさ”というのは=”多様性”ということでもある)
すくなくとも、そういった可能性をはなからシャットダウンしてしまう、ココロの固い人間にはならぬよう、自戒したいもんである。
以前、ミクさんのことを”破壊の女神”と書いたが、けっこう本質を突いていたのかもね。
この娘はこれまでの”あたりまえ”を全部破壊して行っている。
そして”破壊”は”再生”でもあるんだよな。
【レビュー】『宇宙行ってくる! SOMESAT PV』【VOCALOID】【MMD】
標準大の大人が本気で大人気ないコトやるとこんなに楽しそうなのか!?
[同人PCソフト]ちょっと宇宙行ってくる! SOMESAT PV[ussyP、ネルドラP]
これ、以前もPVがすごいので紹介しましたが、なんと!?ちゃんと動画に対する専門的な解説コメンタリ動画がついて42分のDVDとして商品化されとりました。
これは買わずばなるまい!と勢いあまってぽちっとな!
で中身なんですが
やばい、こいつら本気で宇宙行く気だw
というのが感じられるガチの解説コメンタリ。
もともとsomesatというピギーバック衛星でみんなの衛星を宇宙へ送ろう!というプロジェクトの応援動画だったのであたりまえといえば当たり前なんだが、なんかいい意味でNHKの解説見ているみたい(笑)。
「ソーシャルメディア衛星開発プロジェクト」
で、それだけの解説ができるのも実は動画のほうもちゃんとそれだけの検証・考証された上で作られているからだが、この動画の製作者はもともとあの「melody.exe」で著名なUssy氏なわけだ(実は般若心経ハードコアのMMD版もこの人がディレクターの模様)
で、技術的解説のあとに動画製作解説のコメンタリもあってこれがまた凄すぎる、ここまで考えてあの一本ができとるのか!?っちゅう。
いやー、いいよ、これは1500円の値打ちあった。
体裁としてはもう一曲入ってるので(こっちもドラムのモーションがあのネルどら氏なので演奏にライブ感あって素敵)「二曲入りシングルDVD+解説コメンタリ二本+予告編」という感じ。
こういうふうにおのおのが思った形で自分の作品を商品展開できる、というのはほんと素晴らしいなあ。
そういう自前の作品をリリースできる人たちがどんどん増えてきている、というのは最近すごく実感する。
金にあかした宣伝でなく、自分の思いをこめた作品。
それをめい一杯の工夫をして自分なりのやり方で世間に問う。
そしてそこではその作品に受けた拍手がすべて。
潔くていいじゃない。
こういういい”風”を止めないためにも、ちょくちょくこういうアイテムにはお金を出して行きたいなあ、と思う。
まあそれが”拍手”の代わりさね。
(そのためにははやく稼ぎ口を安定させないとw)
※しかし最近この手の動画のYoutubeのコメント欄が外国語ばかりというのが・・・w
じわじわと世界に侵食していっとるようだねえ(笑)。
(おまけに同じ動画が複数あがっててそれぞれにコメントがついてるわけだから・・・)
※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正
上記「最近この手の動画のYoutubeのコメント欄」とある通り元はYoutubeのリンク貼ってあったが、痕跡ごと消されているので本家のnicinicoのリンクへ差し替え。
また標題であった本作品のパッケージ版もAmazon他から全くたどれない。
不可抗力とは言え、こういうことがあると「その当時」の反応・ムーブメントへの理解が著しく困難になるのは困ったところ。
すばらしいだけに悪しき先例にならないことを祈る。(【レビュー】『【初音ミク】むかしむかしのきょうのぼく』【VOCALOID】)
標準さていよいよジャニタレwにも曲がパクられるなどますます勢い盛んなボカロ界隈ですがw
基本的にその成功要素のひとつとして実は「初音ミク」というのは一つの記号でしかないということが大きい。
どういうことかというと、”キャラクター商品”のように見えてキャラクター商品ではなく(本来単なる”楽器”だし)、その「初音ミク」を示す記号(その記号すらも”らしきもの”程度でOKという)さえ含んでいればどんなものでも「初音ミク」という単語でくくれてしまう。
実はこの点を読めずに単なるキャラ萌えと誤解してdisってた有名人がことごとく返り討ちにあっている。
なんせかのウィリアム・ギブスン氏*ですらそんな誤解をしていたわけで、disったあとちびって発言消してたどこぞのV系バンドなんぞは言うに及ばずw
だから実はミクに象徴されるボーカロイドというのはキャラクターじゃなくて音の世界に茫洋と拡がるメタな現象。
(初期からのフォロワーはみんなあの『melody.exe』、3分44秒目の”翼”を見たときにそれに気づいていたと思う)
これまでにも何度か書いているが本当に音楽が好きならここを黙殺している人はかなり損をしていると思う。
自分の中にある”音楽”という単語にたどり着くまでどれだけの偏ったフィルタがかかっているのか一度考えてみたほうがいい。
で、ある意味そういった「初音ミク」の単語のもつ幅の広さ・多様性の海を象徴するかのような良作がまたひとつ。
曲はいうに及ばずPVも素晴らしいので毛嫌いせずに一度再生ボタンを押してみてほしい。
(初音ミクが単なる”萌え”であるならこんな目つきの悪いwミクありえないわけで)
集英社のヤングジャンプ誌で連載されている初音ミクの4コママンガにテーマソングを、ということで始まった企画らしいが、元はといえばこの4コマ、Web上のmikumixというサイトで連載されていたものが原型で、この目つきの悪いミクさん、当時からファンでしたw
素晴らしいのは曲・歌詞が一定水準以上のものなのにPVがそれに加えて更に力が入っている。
動画にあの「アボガド、バナナ」のポエ山氏絡んでるんだねえw
で、再生数もべらぼうな勢いで伸びてて、自分も堪能させてもらったんですが、ひとつだけ懸念が。
これ、こんだけ素晴らしい動画だけあって、やっぱり製作にかかわっている人の数が半端なく多い。
YJ公式ということでそのあたりのこともあると思うんだろうけど、こういうクオリティを大人数でプロダクション的にやるのが主流になっていくと、こういうショートフィルム的な動画ムーブメントに少なからず影響出ちゃうとおもうんだよね。
「大手が金出して人数使ってやるなら勝てるわけないじゃん」って。
何度も言っているけど、このニコ動界隈の自主制作動画の文化はやはり「才能のムダ使い」という単語に象徴されるように、個人が自分の意思で
「やりたいからやるんじゃあああああ!?
ボケェェェェェ!!」
というインディペンデントなある種のパンク・スピリットがあるから楽しいわけで。
そういう”志(こころざし)”のようなものがあったから『Nebula』や『炉心融解』、最近の『般若心経ハードコア』とかも楽しかったわけで。
あの『Corruption Garden』ですらもShadeのプロモーションという情報の出方が前後してたら印象違っていたと思う。
ここまでの素晴らしい流れというのは、実はそういう非常に微妙なバランスの上に成り立っている。
今回のこの動画は作品として好きだし、非常に素晴らしい。
それだけに―以降の悪い先例にならなければ良いが―それだけを心配する。
自分の杞憂に終わってくれれば良いが。
*ウィリアム・ギブスン・・・アメリカのSF作家。いわゆる夢と未来を描いた古典的なSFからブレードランナー的な退廃とした未来世界にSFの主流が切り替わり、電脳空間―電子ネットワークや、ナノマシン、サイバネティックな人体改造といった”サイバーパンク”と呼ばれるSFジャンルが台頭した。そのムーブメントの第一人者。
(当時そういった描写を国内で同時進行的にやっていた大原まり子もSF史的にはここに含まれる)
この人の描写した世界のディティールはご存知の方はご存知かと思うが、現在の世の中の在り様にかなり大きな影響を与えているといって良いのではないか。
代表作『ニューロマンサー』をそのまま映画化できなかったので生まれたのがかの『MATRIX』だったりする。
先日このギブスン御大がtwitterで「ミクは僕の好みじゃないね」と呟いたところ、実態を知るフォロワーたちからいっせいに「よりによってアンタがそんなこというてどないしまんのや!?」とレクチャーが始まり、「思ってたのと違ったようだ、もうちょっと研究してみるよ」とのたもうた、という一件があった。
こういう次代の最先端を切り開いた人でも萌えキャラを身にまとったこの過激なメタ・ムーブメントの実態は見抜けなかったようである。
ミクさんdisった人たちってその後全部撃破されてるのよね・・・・ミクさんおそるべしw
※2022/06 標題の表記を統一、リンク切れを修正