すっぽんのお二人が、以前からいわゆる「大衆演劇」でお世話になっている
というのは聞いていた。なので
「一度観てみたいなー」とは思ってたら
「今度出ますのでいかがですかー」
と一報頂いたので観にいってきた。
場所は十条、篠原演芸場。
十条で降りるのは初めてなんだが、懐かしい感じのする町である反面、地震で火災起きたら一発でアウトな感じの入り組んだ町。
事前でGooglemapでみて想像していたのの1/3の道幅の道を進むと、演芸場。
木戸銭一千五百円成。
で、靴箱に靴入れて入るのだが、まあ小さな演劇場なんかに近いスペース。
ただどう座るか、というマナーを知らなかったので、そこらのご高齢のお姉さま方に聞くとけんもほろろなお返事。
BBAは関東関西を問わずにBBAかw
で係りのお兄さんが案内してくれることには、入場料にプラス座椅子代100円、座布団200円のテーブルチャージキタコレw
で、案内された席も両側にお姉さま方がw
しかしこちらのお姉さま方は、フレンドリーな方々でいろいろと教えてくださる。
姐さんは関東関西問わずに姐さんかw
で、舞台構成は三幕。
「歌謡ショー」→「劇」→「歌謡ショー」
この歌謡ショー、初見だからというのもあると思うが、ちょっと面白かった。
歌謡といいながら、歌う・・・というより踊りを見せるのがほとんどなんだが、この踊りが残酷でw
技量の差が一撃でわかる。
「お、この人凄いな?」
と思ってたひとがのちのち劇とか見ると、副座長の方だとわかる。
腰の据わり、というか挙措が小手先じゃなくて、ブレないのな。
個人の印象ではこの方がとにかく突出してた。
で、曲がほとんど途切れることなく次から次へと・・・あれ、どっかで見たことあるひとがw
出しもの田原坂ですってw
いや、思ってたより様になってましたよ!?
これが40分ぐらいかな。その後が劇。(時代劇)
ヤクザに身を落とした兄弟の、弟が待っているだろう許婚を心の支えに故郷へ帰るとそこでは・・・。
という筋。ちょっと山本周五郎の小説ぽい内容。
(案外原案としてもらってるのかも―今後の演目に『ゆうれい貸家』あったし。)
けどね、これがけっこう見入るんですよ。
なまじ下手なライブ行くより、こっちのほうが当たり外れ的なものは少ないかもしれない。
なぜかと考えると、これってある程度”形”が伝承されてるからなんだよな。
だから”芸”としての最低ラインを割らない。
そのかわりに、新しい要素を組み込むのは至難の業だろうな、とも思う。
ただ”興行”ということを考えるときに、こちらのほうがプロフェッショナルではあると思った。
そして第三幕が再度歌謡ショー。
冒頭がすっぽん大学w
すごい!すっぽんが観客から受けをもらってる!!!!!(マテw)
というか、こういう場所でのトークは修行になると思うから、すごくこれはいいことだと思う。
その後、はとライブでも見た剣戟のお二人と「田村JAPAN」?というユニットでネタを披露。
これもなかなか良かった。
(組み合わせとしてはこのユニットはいい組み合わせだと思う)
その後、再度本式の歌謡ショーがっつりやって終了。
ここでもすっぽん再登場!一組だけ色が全く違っててけっこう拍手浴びておりましたw
ここでびっくりなのが、人気の役者さんには万札でおひねり乱れ飛ぶ飛ぶw
というか、おひねりというか差し込むのでなんちゅーかストリ○プバーのアレのノリに近いw
全ステージおよそ三時間半強!
いやー正直疲れたw
なにせ小さい座椅子で、ほかのかたの邪魔にならんように体育座りで縮こまってみてたというのもあるが、時間が長いのよw
で、演目とか演出、そしてメイクの仕方などなどいろいろ考えてると―トータルでこういう世界って
「ある意味共通なんだな」
とおもった。
腐女子文化とかゲイバー、韓流やジャニヲタ、ある種のヅカファン、AKBやハロプロ的なもの、コアな”アイドルファン”etcetc
要するに、普段は身体の底に沈めてるリビドーに、公共の場で顕わにできる”型”で出口を与えて、ある意味それらを”昇華”する。
そういう産業なんだろうな、実も蓋もなく言ってしまうと。
ただ、今回実際に見て、この大衆演劇というのはそれらの中でも非常に好感が持てたというか、扱われ方に反して、いろいろと可能性のあるジャンルだな、というのは感じた。
これは歴史的な中で培われた”形”の文化が細々ながらも受け継がれ・組み込まれている、というのがあるからかもしれない。
今回の劇のエンディングのほうでも、能か狂言からと思われる表現が、うまくひっくり返して引用されてた、このあたりは素晴らしい。
また、当然女形の芸も披露されていたんだが、このあたりも日本舞踊独特の”所作”の文化だろう。
(先に副座長さんが凄かったと書いたが、この方なにかそういったものかなにかきちっとトレーニングされた方ではないか)
すっぽん大学目当てで見に行ったが、興行自体十分楽しませていただいた。
そして、こういうところで何度も現場を踏む、というのはすっぽんのお二人にとっても、ずいぶんと今後の財産になるのではないか。
そんなこんなを考えつつ、いろいろ収穫の多い興行でした。