【レビュー】『相羽奈美の犬』松田洋子

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先日、角川bookwalkerのキャッシュバックキャンペーンがあって、その際に同じ著者の『ママゴト』を読んで、そのあまりの素晴らしさにこちらも購入。
以前から名前は存じ上げていた方だが、こういう方向へ幅を広げておられたとは・・・。大傑作である。

『相羽奈美の犬(全) (ビームコミックス) 』



両親の不仲をはじめ、すべてにおいて自分の生きる意味を失っていた少年は、ある日レコード屋で見かけた美少女・相羽奈美という存在を知る。自身が負け犬でくだらない存在と自覚している彼の唯一の生きがいは、彼女を消極的にストーキングすること。ある日、日課のストーキング午後の部(笑)を始めようとしていると、彼女が本物のストーカーにつけられているのを見つける。彼女に知らせようとした彼だが車にはねられてしまう。宙を舞う意識の中で最期を自覚した彼は神様に祈る「神様お願いです、僕が死んだら犬にしてください」犬になれたら彼女の眼をまっすぐから見つめてみたい・・・。「じゃあ犬にしてやろう」突然現れた黒い犬の意識体?によって、宙を待っていたはずの彼の体は犬になっていた・・・。

―あなたの涙を舐めるため、僕は人間を辞めました。―
(書籍帯のコピーより)

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