【レビュー】『バガボンド 36巻』井上雄彦

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切り合いのシーンがないにもかかわらず、それに匹敵する迫真の描写。
ある意味物語におけるさらに一段奥の”核心”へと進んでいるエピソードかと思う、凄い・・・。

『バガボンド(36) (モーニングKC) 』



伊織と共に暮らしながら、不毛な土地に挑み続ける武蔵。しかしその不毛の大地は容易に言うことを聞いてはくれない。「土の声を聞け」そう秀作に言われるがそれは容易には聞こえてこない。徐々に追い詰められていく弱い者―村人たちははじめ武蔵の強さを嫌悪し、やがてそれに一縷の希望を託し始める。しかし冬は容赦なく不毛な村を襲い、次々と村人が倒れてゆくなか、ついに武蔵はある決断をする―。

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【レビュー】『バガボンド 35巻』井上雄彦

標準

インタビューなどを読むと、どうもそれ以前からそういう傾向はあったかと思うが、吉岡編終了以降というのは”著者・井上雄彦”という存在自体を、試行錯誤含めてLiveに表現している傾向が強まっているように思う。

『バガボンド(35) (モーニング KC)』



伊織と暮らす生活をつづけ、自身の中を見つめ続ける武蔵。村を襲う”水”は小次郎の影を映し、田を耕せば”土を殺しているかのよう”との声。挙句は極限の村を襲う蝗の大群―そしていまだ消えぬ”我執”の炎。
武蔵の自己との戦いが続く―。

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