三峰神社にて

標準

世間様は連休、ということでかねてよりの懸案(?)だった三峰へ行ってきました。





おもえば大学の頃から名前は知っていて―それも珍しく狼を祭っている神社だというので強烈に印象の残っていた神社が三峰(峯)神社。

しかしいかんせん、遠い、遠い。

なにしろ秩父の山奥、その標高1000メートル超の山頂にある神社なワケで、なかなか踏ん切りがつかなかった。
しかしまあ、いまこういう身分だからこそ、何ぞトラブルあっても周りには迷惑かからんか?と思い、思い立って行ってきました。

いや、しかしマジで都内からは遠い。

普段特急なんぞ帰省のときぐらいしか使ったことのないこの自分が券買って、特急乗ったにもかかわらず、西武池袋から西武秩父まで1時間半だよ!?

おまけにそこからバスでさらに1時間強!

当初は西武秩父から秩父鉄道に乗り換えて、三峰口まで電車でいこうと思ったんだが、乗り換え時間二分しかなくて乗り継ぎ失敗。

まあ当初から失敗抜きにしても値段かわらんし、往復交互で電車とバスとかでよいか?と思ってたんだけれど、結果的に行きはバスのほうが正解の模様。

なぜかというと、じつは今回行った三峰山は、トレッキング~軽登山コースでもあるらしく、けっこうな人が日曜祝日だと来る場所だったらしい。

で、そういった人たちで既に西武秩父の段階でバスほぼ満員。

その満員のバスに、秩父鉄道終点の三峰口で合流するひとたちは乗り合わせることになる、と。


※今回乗り継ぎ失敗したのも、池袋の西武の駅員さんがあまりこの連絡の目的わかってないらしくて
 「三峰口へ行きたい」と聞くと特急でなく2時間ぐらいあとの、それも普通急行を案内する始末
 =それが西武としては三峰口直通列車だから、ということらしい―これのおかげで判断狂って危うく
 特急乗り損ねるところ=秩父鉄道の連絡きっぷを買えなくて、西武秩父で一度改札を出たからなのだ。
 (結果これが正解ではあったんですけどね)


いやー、さらにその満員バスで通るのが

峠、峠、また峠(泣)

おまけに秩父湖(人口のダム湖)の周りなんざ高低差バリバリで窓の外から下の河川敷まで何百メートルあるんですか?の世界でガクブル、おもわずキャ●タマがひゅっとなるような景色の連続ですよ!?(><)

そしてほとんどの人が結局終点(三峰神社)まで乗ったので、1時間強ずっと左右にぶんぶん曲がるバスの中で立ちっぱなしでした、ハイ。

それでも終点に着くと、やはり標高が高いせいか空気が違う。
山にかかる雲の高さも違って、爽やかな雰囲気。

そして案内図をみると神社自体の社域はあまり広くないこともわかって、ほっとしていざ神域へ。

三峰はいろいろと普通の神社とは変わったところがあることで知られた神社で、まずそのはじめが、最初にくぐる三鳥居。



これは通常の鳥居と違って、左右にも小さな鳥居が融合しているという珍しい鳥居。
おまけに色も純白で、独特の雰囲気がある。

そしてご眷属が普通狛犬に相当するのが―ここでは狼。
これも三峰の特徴。なかなかりりしいお姿です。


し・か・し、ですな。


まあ三連休中日ということもあって、観光客ごっそり―それもなぜかヤンキーテイストな方々が多くて、せっかくの雰囲気も、あまり荘厳には感じられませんでした。
以下この点はずーっとつきまとってて少し残念。


とりあえず家族連れのええ年したおとん、お前やお前!
いつもどおりの家でのわがままいうてこんなとこまで来て娘にやり込められてへそ曲げるな、と。
せっかくの雰囲気が台無しや、と。
神社っちゅうのは我が事を願う場所じゃなくて公のことを願う場所やぞ、本来は、と。


で、三鳥居をくぐって道なりに行くと、朱色の中門が見えてきます。



ここでも脇を固めるのは左右共に狼。




門の中央天井には白鶴も。

で、この先がけっこう面白いというか、俗っぽいというか(苦笑)。
ここから先、途中までは一本道なんだけども、そこから先で上中下と道が分かれてて、上に行くほど楽に本堂にたどり着ける(笑)。
ただし、おそらく正式なルートは一番下から。
(正確に言うと一番上のルートというのは朱色の中門をくぐらずその脇を抜ける―そうすると本堂の脇へそのまま出られる)

自分は一度上ってから気付いて、一応正規ルートでたどりなおしました。
こういう俗っぽいところも、ヤンキーテイストに好まれる(ry

本堂は意外と枯れてなくて、朱色の―しかし品のあるお堂。
自分のことでなく公のことをお祈りして二礼二拍手。
ただしおみくじは思いっきり自分のこと考えて引く―小吉でした。
(なんか100円なのに金色の大黒天様ついてるくじだった)

で、さらにこの三峰の面白いところは―

そう実はこの神社、本道脇に、全国津々浦々にある有名どころの神社、その末社が―まるで各銀行のATMが並んでるかのように―ずらーと並んでるんですね(笑)。
天神さんから諏訪神社、厳島神社、浅間神社にとどめはお伊勢様まである!(お伊勢様はちゃんと別格でつくりが茅葺になってる芸の細かさ!)

いやー、ご挨拶したことのあるところへご挨拶しておこうとすると、賽銭足らん足らん(泣)。

このあたりちょっと神社のテーマパークみたいでおもしろい。

そして自分は入りませんでしたが、日帰りの参拝客でも入れる温泉が境内に隣接しています。
登山道のコースもあるので、着替えなどをもって入るのもいいんでしょうね。

そしてこれらの社域のさらに上に、日本武尊の銅像がある丘が。

ここはこの季節らしく蜻蛉が飛び交い、秋津島の守護神がいらっしゃる場所らしくてよいな、と。

ここは人もあまり来なかったので、静かだったというのもでかいかも。
ちょっとささくれ立った気分を鎮めて、再び坂を下る。

あと面白かったのが、この神社では秩父の山々もご神体とされているらしくて、その眺望を切り取る形で望楼が用意されていて、そこにもお賽銭箱があったこと。
ええ、ここでも高所恐怖症の自分はキャ●タマが(ry

これで、ひととおり見たことになるか―と思いきや、境内の宿泊施設の裏に三峰杉?を祀った目立たない小さな祠もあり、一応そこにもご挨拶。

そうこうしていると、時刻は昼近くで腹がクー。

三鳥居を出たところに2店舗ほど出ているお店のうちの一つでとろろそばを。
ゆで加減やや固めも、まずくはなかったので、まずは満足。

ここでちょっと余裕が出てツイート。
しかしさすが標高1000メートル級。ソフバン入りません、どきゅもはOKなのでガラケーでツイート。
まあ神域にこういう俗事を持ち込むこと自体が本来どうなの?っちゅう話ではあるが。

腹も落ち着いてきたので、鳥居脇にある三峰の博物館を。入館料300円。

じつはここも見たかったものの一つで、なぜなら非公式ではあるけど、この秩父界隈というのは日本狼かもしれない固体が目撃されている場所のひとつで、日本狼がらみの研究がけっこう展示されている。

展示内容は三峰詣の歴史と、日本狼研究でほぼ二分されている感じ。
日本狼に関しては貴重な(けどなにかあわれさを感じる)毛皮が数点展示されている。
(おそらく数的には―5,6体分とはいえ―日本最大じゃなかろうか)

そして狼といえば修験道とも関連が深くて、その関係の資料も。
役小角も空海上人も入山の伝承があるとは知らなんだ。
ご眷属信仰も同じくらい古い―なんせ元は日本武尊の東征の帰りに、この山を案内したのが狼だった、というところからだもんな。

あと神社のみならず、寺院としても機能していた時期があったらしく、胎臓界曼荼羅や観喜天なども展示されていた。
このあたり修験道をベースに民間信仰的なものを、ニーズに合わせて吸収・統合してたんだろうな、というのがなんとなく想像でき興味深い。

こんな悪路の中を行き来する人たちの間では、現世利益的なものが教義の厳密さ云々より自然と尊重されざるを得ないということなんだろう。

てな事を考えつつ拝観を終えると、外はやや薄曇。

見るものも見たので、1時間1本ほどのバスを待ち下山することに。

帰りのバスのほうが圧倒的に楽でしたな。
なんせ行きほど人が集中しないので。

それにしても、これだけ高い場所の神社なのにカップル連れや若い女性客がちらほらいたのには驚いた。(※)
とくにそういった方たちにあったご利益のなにかがあるとは思えなさそうなんだけれども。

ということで、いちおう自分的に長年の懸案だった三峰詣は果たせた。

再度またチャンスがあれば行ってみたいとは思うが、思ったよりはイージーにはいけそうにない場所、というのもわかった。
(季節・天候にかなり左右されると思う)

まあしかし狼フェチの自分としては、なにかの折を見て、再度訪ねてみたい場所ではある。

あ、個人的にご眷属で一番キュートだったのは、”お末社ATM”(爆)の中の犬山神社のご眷属様。
サイズが小さ目ということもあるんだろうけど、なかなか味のあるキュートなお顔でしたよ。

行かれる機会のある方は是非お忘れなく。











※当日途中でもツイートしたが、帰りのバスで一人かわいらしい脚長の年若いお嬢さんがいて、
 その人はいてたのがぺたんこの銀のパンプス(マテw)

 背も高いお嬢さんだったので、ぺたんこ”さもありなん”だが、それであの境内大丈夫だったの?とびっくりですよ。
 おまけにお連れの方がいる風でもなく、一人で帰りのバスに乗ってらっしゃった。

 あんまりにもファンタジックなので脳内で「この人はご眷属が化けて里に遊びに行かれるに違いないw」と
 勝手に妄想して遊んでたら、帰りの特急まで同じ車両てw
 (7両も車両あって切符買ったタイミングまったく別なのに)
 けど池袋に着いたときには姿が見えなかったので、やはりご眷属だったんだと思います、ハイ(笑)。
 
 都内に帰ってきたらあちこちでお祭りやってたしね。
 遊びに出て来られたんでしょう、きっと。

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