新日本人に訊け!/小林よしのり

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ずいぶん前に読了していたが、タイミング逃してたので今頃。

新日本人に訊け!


小林よしのり、という名前を聞いただけでアレルギーを起こす人や、氏の作品を取り上げるだけで”右翼”というレッテルをペタリと貼られかねないという、そういう物議をかもす人であるが、冷静に考えてみて、昨今の言論空間に氏の及ぼした建設的な影響というのは否定できないと思うし、その功績は認めるべきだろう。
(なによりあのオウム真理教とガチンコで一戦したというだけで、自分は素直に頭を垂れる)

もちろん、諸手をあげて賛成ということばかりでもなく、時にはとんちんかんでひどいことを書いたりもする。
(最近だと関東の乳幼児の母親がペットボトルの水を買い占めることをかなり悪意交じりで描いていた―母乳の代わりの粉ミルク等を使う際に必要なことをご存じなかったのだろう)

しかし、基本のスタンスとして是々非々、自説に執着するのではなく違うと思ったら、さっと詫びを入れてスタンスを変える、旧敵すら評価するべきときは評価し、そしてなによりプロのエンターテイメントの世界で一線を張ってきたという点で、個人的には信頼しうると考えている。
(頭でっかちだけの理想論者や主義者ではない、ということである)

昨今は扱うテーマが大きくなってきたせいか、そのエンターテイメント性が作品の中で薄くなり、マンガの手法では間に合わなくなってきた部分もあってか、時々活字の本も出している。

本書はそういった活字の一冊。

日本に近年帰化された、いわゆる”新日本人”の方々との対談集。
これは小林氏云々ではなく、企画そのものとして面白いので例え別著者でも買っていただろうと思う。
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